理科教育についての議論 2008.1.15
「小学校の高学年に理科の専科教諭を入れるようにする。」というのが、昨年末に新聞報道されていて、どのように進むのか状況を窺っています。もちろんわが校の理科は、専科制をとっていて、問題はないのですが、専科制になって良い面と、良くない面があると思っています。一度、整理してみましょう。
良い面は、教材研究をする時間が十分持てて、安全で、準備の整った実験環境で学習を進めることができます。私は、学級担任と、専科教諭の両方を経験しましたが、担任の時は、なかなか教材研究や予備実験に時間をかけられなくて、工夫をした実験観察が進められていませんでした。特に、花壇の整備、理科室の清掃、使った道具の片づけなど、学級の諸問題をこなしながら理科室を管理するのは、並大抵のことではありません。理科を得意としない先生のための実験準備のお手伝い、また、薬品の管理、実験道具などの備品の修理や購入などは、全て理科担当にかぶさってきますので、担任をしながら、さらに、全部の学級の理科を応援することになります。このような状況では、担任をしながら理科をしている場合には、理科室に近付くのもいやになってきます。しかし、専科教諭なら、理科室にいつもいて、全ての実験器具を常に使える状況に管理しながら、計画的に学習を進められます。
一方、理科専科を置くと良くない面もあります。それは、継続観察、飼育栽培などの単元は、どうも専科ではうまく進めにくいのです。さらに、担任の先生方は、理科は専科の先生に任せっきりになって、学級の中に理科的な文化が育たなくなるおそれがあります。わが校も長く理科専科制をとっていますので、今、担任をされている先生は、この学校に来て殆ど理科の学習をしたことがないという状況です。子ども達の理科離れといわれますが、先生の理科離れもあり、専科制を置くのがよいのか、担任が苦労しながら子どもと理科学習を作るのかよいのか、微妙なところです。
最近、日本の子ども達の算数理科の学力低下が、国際比較の中で議論されています。私は、学校を週6日制から週5日制にしたこと、生活科、ゆとりの時間、総合学習、コンピュータ、英語学習などの新カリキュラムが、次々に実行されたことが大きな原因だと考えています。土曜日・日曜日を家庭で過ごすことにより、教育力のある家庭とそうでない家庭によって、格差をさらに広げることとなりました。
▼これからの予定
4年
4星は、冬の自然研究を書きます。資料を持ってくるようにしてください。4月は、季節日記の一行記録を春から作ります。以前の季節日記の準備をお願いします。
5年
5星は、ろ過した溶液の中には、溶かした物質が残っているかを調べます。5月は、結晶作りの発表と、ろ過について学びます。
6年
6星・6月は、環境問題のレポート作りを始めます。資料、新聞の切り抜き、写真の準備をしてください。
科学G
電子工作をします。お楽しみに。