和の心 2007.7.17
年をとると、日本の良さが感じられるようになってきました。和(わ)というと、聖徳太子が憲法の第一条で「一に曰く、和(やわらぎ)を以(もち)て貴(たっと)しとし、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。・・」と、言った和でもあり、和風の和でもあるといえます。「やわらぎ」とは、穏やかなことを意味し、「さかふる」とは、逆らうことを意味します。穏やかに生活をしましょうと、語りかけているのです。
和風は、いいものです。お座敷、床の間、庭園、茶室と、日本の自然と調和して、その土地の季節や風土に合った植物を配置して、自然を取り込んだ生活を楽しむ日本人の生き方を表しています。「和の心とは」と、安易なことは書けないのですが、日本人の端くれとして、その風土の中で育ってくると、少しだけ分かるような気がしてきます。
「理科室のお作法」という文書を書いています。教室の入り方、座り方、実験器具の使い方、植物の育て方など、お作法があると思います。合理主義の科学と、奈良の風土の和の心がうまく合わさると、日本的な理科教育が出来るのではないかと考えています。
例えば、「教室は、後ろから入って、前から出る。」ということです。入る時は後ろから、小さな声でお願いしますと言って入ってきて、出て行くときは、先生の顔を見ながら、礼を言って前から出て行くというものです。太子の言う、「やわらぎ」にも通じるのではないかと思っています。
また、理科実験の道具類であるピンセット、メス、顕微鏡・・などは、常に綺麗な布で拭いて清めるということが大切ではないかと思います。茶道の作法である「清め」でもあり、法隆寺宮大工・西岡常一棟梁が書かれた本の大工道具の管理にも共通するものです。道具の状況、良し悪しが見えない間は、いい仕事が出来ないということです。
さらに、その風土に合った植物の育て方をすると、植物はいい育ち方をします。実際の農家の方や庭師の方に指導を受けながら育てることが大切なのだと思います。日本式庭園は、日本の気候に合った植物を育てています。さらに、床の間の花は、わび、さびと言われる、自然の中の植物の姿を、象徴的に表現しています。西洋系の植物を豪華に生けるのは、華々しくていいのですが、私達の生活している常緑広葉樹林帯の植物の中に美を見出す「いけばな」は、日本の自然を大切にする心なのだと感じます。
形に無理やり当てはめるのではなく、風土のよさを生かす心を身につけたいのです。
▼これからの予定
夏休みの課題
<4年>
② 太陽の動き、月の動きの観測をしてください。
②いろいろな場所にたくさん出かけて、体験を広げてください。それを季節日記に時々書いて、まとめておいてください。
③ 8月28日皆既月食観測
<5年>
新聞の天気図の切抜きをしておくこと。ノートや紙に貼らないように。台風が来た時は、災害の新聞記事も切り抜くこと。
<5・6年>
臨海合宿で採集した、海の貝の標本、海草の押し葉を作り、提出します。
<6年との約束>
テレビ、ゲーム夏季厳禁