ふりこ、衝突の実験の深化 2007.1.29

 

 冬の課題として、5年生には、振り子や衝突実験に取り組んできてもらいました。今年の5年生の子ども達は、表を書いたり、グラフを書いたりするのがかなり上手になってきていて、レポートは一見すると、とても美しく上手に仕上げられているように見えます。すごい進歩です。しかし、レポートの内容をよく検討すると、平均の取り方、グラフの横軸の取り方、比較の仕方などを、まだまだ理解していない子どもも多くいることが分かります。また、学校でふりこや衝突実験のセットを組ませると、条件制御、測定の精度、比較の観点などにも、多くの問題点を含んでいることが分かりました。教科書レベルのレポートに到達していた人は数名しかいませんでした。それは、まだ学校では学んでいない内容で、事前の独自学習だったからなのです。

 ここでやはり、学校における相互の学び合いの時間や、教師の指導も必要なんだなあと、少しは嬉しく思いました。2割程の優秀な子どもだけを見て、この子たちは優秀なのだと自慢したり安心したりするのは教師の仕事ではありません。それは、親や塾のおかげであることが多いからです。全員の子どもに、楽しく意欲的に実験をさせながら、基本的なデータの取り方、レポートの書き方を相互に学ばせるのが先生の役割であることを、忘れてはいけないと思っています。そして、主体的に発展的に学びを作っていく子どもの支援が出来ることを願っています。

 今回のように、理科学習でも、独自の学びをしてから相互の学びに入っていく学習をとても大切にします。ここでは、平均や比較の仕方の間違いや、グラフの書き方の間違いや、実験の不十分さに気づき、それを一つ一つ乗り越えた時に、その子自身の学びが出来るのだと思います。最初から、用意周到の実験で、マニュアル通りに進めてデータを取っても、作業をしただけで、そこには失敗からの学びがなく、成長もあまりありません。自分で最初に取り組んだ実験に常に立ち返り、その失敗を一つ一つ修正していくところに、真の学びがあり、成長が感じられるのだと思います。

 わが校の学習法は、独自学習を徹底してさせていき、それを一つ一つ高めたり、広く関連させたり、修正したりしていくところに大切な学びがあると信じています。最初から教えるのではなく、自らの学びの修正深化を推し進めるのです。小さな自らの学びを自力で積み上げる、力のある子どもに成長させたいものです。

 

▼これからの予定

3年

 省エネルギーの取り組み発表。模造紙を持ってくるようにしてください。

4年

 物に熱を与えたときの熱の伝わり方を調べます。熱伝導の自学をしておいてください。

5年

 ふりこ、衝突の実験を進めます。独自学習で進めた実験の、さらに発展実験に取り掛かります。

6年

 電磁石の性質調べと工作をします。また、モーターを自作して、そのモーターで走る車の模型を作ったりもします。

科学G 

 科学グループの発表準備