「学習への重い?」辞書・事典・参考書 2007.1.9

 

 わが校には、独自、相互、独自という学習の流れがあります。独自学習の時間は、子ども達が自分で調べる、自分で考える、自分の力で育つ時間です。先生や学級の学習の流れの中に乗らないで、自分だけの力で育つ時間を私達は大切にしています。

GR このごろ虫をあまり見なくなりました。たぶん冬になると虫や動物は「冬眠」します。「冬眠」とは、ある種の動物が地中水底など温度変化の少ない所で眠った状態で冬を越すことです。しかしスズメバチ(ハチ)は、女王バチだけ巣の中にいて冬を越しますが、他の働きバチとかは巣から追い出されてしまうという事をお兄ちゃんから聞いた事があります。その理由は、「女王バチは、冬の間におなかの中にいる卵を育てて、春くらいになるとその卵を産むから」だそうです。その話を聞くといつも働きバチは女王バチのせわをしているのでかわいそうだと思いました。(1116日)

 GR君は、辞書を調べたり、お兄ちゃんに聞いたりしたことを情報にして、自分で学びを進めている様子が分かります。子ども達は重い広辞苑や理科事典をさげて理科室に来ます。学級ではどのように使っているか分かりませんが、とにかく理科学習の時には、書生さんの引越しのように、辞書、事典、図鑑を持って理科室へ来てくれます。

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NM  十月十五日の夜に空を観測しました。北極星を探しました。オレンジ色っぽかったです。その周りの二つの星を観察しました。私の予想は、太陽や月と同じで北の方から東に行くと思っていました。まず、二等星を北極星の左上のほうに、午後8時ごろに見つけました。そして、北極星の右下にも見つけました。そして、9時の1,2分前見つけると北極星より左上の星が西に向かっています。どうしてだろう、と思いました。理科事典で北極星の探し方を見ると、北斗七星のひしゃくの持つ所のはなれた星と星のきょりを五倍してみるか、カシオペア座のWの真ん中の星の右と左の星の方向のところに線をすすませて交わったところからWの真ん中の星の長さを五倍して探すかどちらかです。北極星は子ぐま座にふくまれていることが分かりました。(1019日)

 NMさんの考察から、理科事典を家に持っていることが分かります。学校に置きっぱなしにしているのではなくて、持ち歩いてくれています。理科の時間、本当に充実した学習をしないといけないなあとつくづく感じます。

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KN  「秋桜」と書いて、コスモスと読むことを初めて知りました。私も、コスモスはサクラの花の形に似ているなあと思っていました。今は、コスモスの花がきれいに咲いている時期です。花びらが散っていく時は、すごくきれいです。コスモスの花が咲いている前に、小さな池があります。その中には、ウシガエルがいます。三匹も泳いでいました。私は、冬眠をしないのかなと思いました。カエルだから冬眠するけれど、もう少し後なのかなと思いました。(103日) 

 学校のコスモスについて少し先生の話をした後、季節日記を書きました。KNさんは、辞書を引いて、秋桜と見つけて、それから話が広がっていきました。学びのきっかけに辞書が役立っています。

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SD  夏にも押し花を作りました。ツユクサやイネ科のエノコログサ、オヒシバ、メヒシバ等です。オヒシバはメヒシバより葉が固い感じでした。メヒシバはやわらかい感じでした。図鑑にもそのことが書いていたので、もう少し読んでいくと、オヒシバは30~50センチメートル位まで成長するらしいです。でも、メヒシバは30~90センチメートルと、どの位になるか分からない位、はば広く成長します。30センチメートルと言う所は、オヒシバと一緒なのに、なぜ成長のしかたが60センチメートルも違うのかな。多分、メヒシバは場所によって成長のしかたが凄く違うんだと思います。オヒシバは場所が違ってもほとんど成長のしかたが同じなんだと思います。(914日)

 SD君は押し花作りの振り返りで、図鑑を読み進めてオヒシバとメヒシバの違いについての考察をしています。今日の学習が自覚できていると、それに合った参考書が持参できます。

 以上のように、自律した学習が出来るためには、自分の辞書、事典、参考書があると、「その子の学び」ができます。重い高価な辞書、事典、参考書の持参は、教師と子どもと親の信頼関係の上に成り立っていると感じています。子どもの「学習への重い?」をしっかり受け止めていきたいと思います。

 

                  (学習研究誌2月号の原稿より)