理科の学習法 2006.11.27 NO.61
先週の月曜日、堺市の小学校で2時間授業をして、その後お話をしてきました。きつねTが授業をしに行くと聞いて、近くの小学校からも数人の先生が、授業を見に来てくれました。その時、話題になったのが、学習の進め方、学習方法でした。
当日の授業は、六年生の地層の学習です。まず、我が校の学習には、必ず「学習のめあて」をそれぞれの子ども達が持って、最後に「学習のふりかえり」をするようにしています。これは、けいこ、しごと、そして、なかよし集会、掃除、遠足など全ての活動に当然あります。堺市の小学校で、初めて出会う子ども達でしたが、戸惑いながらも学習のめあてを持ち、3人がそのめあてを発表してくれました。次は、今日の学習問題を作るために大阪周辺の地形図に色をぬり、その地形の様子から「おたずね」を引き出すようにしました。そうすると、山と平野の違いが話題になり、「山や平野の地面の下はどうなっているか」という学習問題が生まれました。
そこで、それを解決するために「観察」を設定しました。今回は、野外観察に行けないので、きつねTが持ち込んだ、山の地層と平野の地層のスライド写真を見ることによって観察させるように考えました。まず、スライド写真を見る前に「予想」を立てさせました。山の地面の下と平野の地面の下は何が違うので、地形が違っているのかを、絵や文章で書かせました。予想を発表させてから、観察に入ります。スライドからの観察は「結果」として記録します。結果は、山と平野の地層を比較できるように記録させました。
次に、山と平野を比較した結果を元に、「考察」を書かせました。予想とのズレや、比較から見えてくる地面の下の様子について、自分の考えをまとめていくようにさせました。予想がより豊かに、それまでの体験から考えられていると、結果とのズレが起こったときの印象が大きく、自分の思考が再構成されます。それが考察です。最後に「ふりかえり」を書いて2時間続きの学習を終えました。最初、文章で書くのを億劫がっていた子ども達でしたが、最後のふりかえりは、すらすらと書いていたのが印象的でした。
理科の学習は、「学習問題」-「学習のめあて」-「実験又は観察の課題」-「方法」-「予想」-「結果」-「考察」-「学習の振り返り」という流れがあります。毎時間これに無理やり当てはめる必要はないのですが、予想と結果と考察をきちんと授業の中で意識して分離していくと、理科としての思考力がつくように思いました。
▼これからの予定
3年
豆電球の研究と電気の回路について学習を進めます。
4年
水蒸気の性質について、実験をします。物の三態変化について、学習をします。
5年
動物の誕生の学習をします。メダカの誕生のときに書いたレポートが、一冊目のノートに貼ってあるので、一冊目のノートを忘れずに持ってくる。
6年
岩石の研究をします。作った石の標本を、双眼実体顕微鏡で見て、鉱物の学習をします。
科学G
デンプンの研究をします。顕微鏡でデンプンを見ます。