フィンランドの教科書 2006.9.4

 

 国際協力機構OECDが実施する学習到達度調査PISAで、日本は、数学については、2000年が2位、2003年が6位、科学については、2000年が2位、2003年が2位、読解力については、2000年が8位、2003年が14位という成績になりました。ここで言うところの「読解力」というのは、日本の国語のテストのようなものではなく、「自分の意見を理論立てて説明する力」に当たります。これから、国際社会の中で生きていく子ども達に重要になってくる力なのに、日本の学校では、このグローバル・コミュニケーション力(PISA型読解力)を教えていないということになりました。

 では、なぜフィンランドの子どもたちはグローバル・コミュニケーション力が高いのでしょうか。それは、①フィンランドの先生には、修士号の取得が義務付けられている。②フィンランドの学校では、少人数制の授業が行われている。③フィンランド人は、伝統的に読書意欲が高い。などが考えられています。さらに、もう一つ、フィンランドの教科書を見ると、本当にどのページも、文章への関わりを促す質の高い質問で構成されていて、どの子ども達も、その質問に自分の考えを持ったり、述べたりするようになっています。その教科書では、①発想力、②論理力、③表現力、④批判的思考力、⑤コミュニケーション力の5つの力を自然に付けられるような構成になっています。

 日本の国語の教科書にも手引きがありますが、ここまで徹底したものではありません。フィンランドの教科書は、問題集的ともいえます。常に分析的に意見を持たせるように練習をさせます。「あなたはどう考えますか。」「どうして、そう考えるのですか。」「他に考えはありませんか。」「それから、どうなると思いますか。それはどうしてですか。」などの視点で、物語も、説明文も、読書紹介も、作文でも、全ての学習で徹底しています。また、表現力では、言葉を使いこなすことに力を入れています。キーワードをいくつか設定して、「それらの言葉を全て使って、出来るだけ短い文章を書きなさい」というような場面も多くあります。また、自由に文章を書くのではなく、フォーマットに従って作文や物語を書くように指導しています。話し合いでは、「本当にそうなのか。」ということを常に疑いながら、必要な情報を見極める力を付けることが中心です。

 教育界では、しばらく、PISA型読解力のブームが続きそうです。

 

▼これからの予定

3年

 3月の今週は、昆虫採集をします。水曜日までに、昆虫を一種類以上採集して、学習に望んでください。持ち物は、網と虫かご

4年

 太陽と月の動きのまとめをしていきます。特に今週は、太陽の動きについてします。月の観測まだの人は、来週までに、2種類の月齢の動きを観測しておいてください。

5年

 貝の標本のレポート書きと、台風の新聞の切抜きの整理をしていきます。台風関係の参考書も持ってくる。

6年

 貝の標本のレポート書きと酸アルカリの学習へ。