今年の理科教育を考える 2006.1.10
新年にあたり、今年の理科の学習について考えました。情報化時代になり、理科教育や教科書では、どうも最先端の科学や環境配慮などの新しいことを取り入れた教育が、いい教育だという風潮が感じられます。大学や博物館では、大学の先生方が、市民や子ども向けに講演会をして、ちょっと難しい内容を分かり易く教えています。これは、社会的には意味のあることですが、子ども達は、「いろいろ知ったつもり」になり、「科学が分かってしまったような気に」なります。でも、本当に科学的に物事を考える力とは、どんな事なのでしょうか。小学校の理科も、科学講演会と一緒の様になっていないか、最近、ちょっと心配しています。
そこで、今、我が校の理科教育の方針を根本的な所から考えて作っています。我が校の理科教育としては、「本校に来ている全ての子ども達に、たくましい科学的な力をつけて卒業させたい」ということを、一番大切にしたいと考えています。次のような方針を持ちました。
①文部科学省が作っている学習指導要領の問題点を解消し、この学校の子ども達が学びやすい配列にする必要があると考えます。例えば、野外観察の必要な、太陽、月、星の観測をどのようにしていくか、森林の学習はしなくていいのか、川、地層、火山、地震の学習をどの学年ですればいいのかなど、いろいろ考えてこぎつね小学校の理科学習を創っています。
②インターネット調べなど、実体験の無い学習からの復活を目指して、基本的な技能としての、昆虫などの生き物の飼育、植物の栽培、電気や電磁石や振り子やてこなどの基本的なデータの取り方、温度計、虫眼鏡、顕微鏡の使用、標本の作り方など、実際の活動を通して子ども達に身につけさせる必要があります。
③科学的な考え方としての、比較する力、変化を捉える力、実験観察を計画的に進める力、実験 観察の条件設定力、見通しを持つ力、そして多面的な実験観察から得た結果を統合考察する力など、順を追って育てていくことが大切だと考えます。
④より優れた学習をする子ども達に対して、独自、相互、独自学習の学習法で、どんどん伸びる学習システムをうまく機能させるようにしたいと考えます。
これらの計画を3月末までに作り上げ、新学期より新しい理科学習が進められるように、準備していこうと考えています。
▼これからの予定
3年生
太陽高度のまとめ。冬の自然の様子の観察をします。
4年生
金属の膨張の実験をして、気体、液体、固体の膨張のまとめをします。
5年生
ものの溶け方の学習に入ります。
6年生
電磁石の学習をします。電磁石作りから、学習をはじめます。
冬休みの課題
2年星 豆電球を使った工作
3年 太陽の温かさの研究
4年 発光ダイオード工作
5年 結晶作り
6年 光電池研究
最初の理科の学習時にレポートを提出して下さい。