東京大学総合研究博物館 2005.12. 5
土、日曜日、東京にいました。丁度、東大の近くの宿舎に泊まっていたので、今回は東京大学総合研究博物館に行きました。今、東大(本郷)の安田講堂へ続く道はイチョウの黄葉がとても美しく、ちょっとした観光地のようになっています。みんな記念写真を撮っていたので、一緒になって写真を一枚撮りました。
総合研究博物館は、東大の校内にあります。それほど大きな博物館ではないのですが、学問の体系に沿った展示がなされています。入場料は無料ですので、みなさんも、東京へ行かれた時は、ぜひ一度寄ってみて下さい。しかし、まだ、お台場の科学未来館や上野の自然科学博物館へ行っていない人は、そちらが先かなとも思います。規模は全く違い、ここは昔の理科室の標本室のようです。
今回行った時の特別展示は、「アフリカの骨、縄文の骨」でした。一番奥のホールに展示していました。1992年に440万年前の人類化石ラミダスが発見された時の状況、そしてそれ以降10年の間に次々と古い人類化石が発見されて、600万年前からの人類の系譜が明らかになってきている様子が、分かり易く展示されていました。また16万年前の人類化石ヘルト人と縄文人との比較研究の様子も展示されていて、古代人研究の最先端が、数多くのレプリカを見ながら理解できるようになっていました。
二階の小さなホールには、「ウニの分類学」という展示がありました。重井睦夫博士のコレクションで、270種にも及ぶウニが集められています。世界でも5本の指に入ると言われる壮大な規模で収集されたものだそうです。ウニは保存が難しく、針が取れたりするので、その綺麗な標本はとても貴重なものなのです。白浜で見つけたウニの標本も、ここに来ると全て名前が分かりそうです。
一階の常設展は、骨格標本、そして、鉱物、化石標本があります。ここは、これまで私が見た各地の博物館の規模と比べるとそれほど驚くほどのものではありませんが、学生が基本的な鉱物、岩石、化石の学習をするのには、適当な標本が整理されていました。学部生の一般教養として、知っておきたいものだと思いました。入場が無料なので、近くの子ども達も、何度も訪れて見て学習できるので、東京は恵まれているなあと感じます。
今回、東大の博物館を訪れて、自然物を集めて分類して名前をつけることから始まる科学の良さが再認識でき、子ども達と自然観察の取り組みを一層深めたいと感じました。ここに展示されている標本は、自然をどうとらえたらいいのか、その多様性の意味は何か、さらにそれらの進化や環境適応について科学はどのように発達したのかなど、いろいろなことを読み取ることが出来ました。
また、昨年の6年生の子ども達と、東京へ「しごと合宿」に出かけた時、東京大学の石浦教授の研究室を訪問しました。そこで、ゲノム解析の研究室を見せて頂いたり,東大の講義室で、脳の話について講義を受けたりしたことを思い出します。最先端のお話は、これからの私たちの学習の方向性を知るいい機会になると思いました。これからも先端科学に触れる機会を作りたいと思います。