岩石標本を作る 2005.12. 5

 

 中等学校では、夏休みに植物標本や昆虫標本を作る課題が出ると聞きます。小学校でも、九月には、夏休み中の課題として、白浜の貝と海藻の標本を作ってもらい展示しました。とてもきちんと整理されたものが多くて、子どもの力、家庭の教育力に感心しました。白浜は、前に臨海合宿をしていた福井県の海岸よりも貝の種類も多くて、標本作りには最適な場所です。貝の特徴をつかんで、図鑑で名前を調べる学習になりました。

 かつて、植物学も動物学も鉱物学も、最初は標本を作って分類をするところから、学問が始まりました。博物学の世界です。たくさんの珍しい標本を集めて、出来るだけ正確な図鑑を作り、記載分類をしていきました。このような地道な研究が積み上がって、最近の生物の多様性、環境適応、進化、遺伝子などの研究が発達しました。皆さんの知っているダーウィンは、ビーグル号に乗って未知の大陸や島々を巡り、新しい植物や動物の標本を採集し、記録をしました。そして、それらを詳しく比較研究していくことで、あの有名な「進化論」を発表しました。また、日本人では、植物学の原点でもある牧野富太郎、そして、博物学者と言われている南方熊楠なども、山野を歩き膨大な標本を作り、新種の発見を多くして科学の発展を担ってきました。

 子ども達は科学を基礎から学んでいますので、かつての科学者の歩んだ、追究の道を体験しながら育ちたいものです。自然をきちんと知り、違いが分かる人になるためには、このような標本を作るというような基本的な学習をしていくことが大切だと思います。地に足がついた理科研究にしていきたいと思います。

さて、今回は、6年生の子ども達と一緒に、岩石標本を作りました。

A火成岩では、①花崗岩、②斑糲岩、③安山岩、④玄武岩、⑤流紋岩、⑥サヌカイト、⑦凝灰岩、⑧溶結凝灰岩、

B堆積岩では、⑨砂岩、⑩泥岩、⑪礫岩、⑫石灰岩、⑬チャート、

C変成岩では、⑭結晶片岩、⑮片痲岩、⑯ホルンフェスル、⑰大理石、⑱蛇紋岩などを標本にしました。岩石ハンマーで大きな石を割り、しきりを付けた標本箱にラベルをつけて入れていく活動です。子どもはもの集めが大好きです。楽しい学習になったようです。そして、次の時間には双眼実体顕微鏡で、鉱物の観察をして記録をしていきました。同時に、こちらで準備した火山灰、砂場の砂、泣き砂、星砂、ざくろ石なども見ました。実際の物をみて体験を通して学ぶ学習は、子ども達の心の中に、しっかりとした記憶として残ることを期待して取り組んでいます。

 

▼これからの予定

3年生

 学校の中のいろいろな場所の温度調べをします。

4年生

 空気と水を温めた時の変化を調べます。

5年生

 手作り天秤を使って、天秤の仕組み、天秤の釣り合いを学びます。ビー玉、おはじきを持ってくる。まだ、上皿天秤の使い方についても学習します。

6年生

 岩石標本の観察と、地震の学習をします。岩石標本を整理して持ってくること。その次は、化石の学習をします。持っている化石の持ち込みと資料の準備をお願いします。

科学G

 温度と溶解度②と、結晶作りです。