学びを深い所で捉える力 2005.11.14

 

 うかつにも、実習生の先生が来ているとき、子どもが発表した内容や分かったことをつらつらと黒板に書いてしまいました。そんな時の子どものノートはとても浅いもので、殆どの子どもは黒板を写しただけのものになっていました。いつもの、少し不親切ぐらいの黒板の方が、子どもは、自分の言葉で、自分の脳を動かしてまとめを書いています。

 毎日の学びをどう記録していくといいのか考えました。まず、表面的な学びとは、黒板をそのまま写しているだけのものです。これは、全く思考しなくても、一生懸命綺麗に書くだけの作業をしているものです。中学校や高校の時、こんなノートを書いていたなあと思い出します。そして、もう一度それをまとめなおして、テストに出るところをそこから抽出していました。先生にも、自分のかつて作ったノートを、毎年微妙に内容を変えた漫談を交えながら、そのまま黒板に書き写していくというような人がいたように思います。私たちの理科学習では、そのような丸写しのノート作りを目指していません。自分達の話し合いのメモとして書かれた黒板を参考にしながら、自分の考えをまとめて文章で書いていくようにさせていきます。

 次に、見通しを持ったノート作りについて考えます。実験、観察をする場合、事前にみんなで話し合った内容をうまくいかして、実験方法や結果の書き方を自分で工夫させるようにしています。実験ノート作りが自分の力でできてから実験をさせるようにすると、自分は何のためにその実験をするのか、そのためにはどのようなデータをどのように記録すればよいのか、理解できるようになります。勿論、その域に達しない子どもには、ヒントや記録方法を教えてあげる手だても必要です。また、グループで話し合って、互いに助け合う方法もとらせることもあります。

 いつも学習の最後に感想を書かせています。今日取り組んだ内容について、自分の体験と付き合わせて、自分はその結果をどう考えるのか、そこから何を感じるか、これまでの考えと違うところはどこなのか、などについて書かせます。学びを深くということは、自分のこれまでの体験や考え方と付き合わせながら吟味していくことが、大切なのです。それを、黒板だけを写したノート、みんな一緒の「分かったこと」だけのノートになってしまっていては、学びを自分の体験の中に埋め込むような深いものにならないと思います。学習の感想を書かせる時、「自分だけしか書けないような体験を書くように」と、指示していくことが大切。

 

▼これからの予定

3年生

 太陽の光と温かさの実験で、鏡を使います。生活の中での光と温かさの活用を考えます。

4年生

 星の動きの観測の発表。空気と水の性質比べ。

5年生

 地形学習の発表。

6年生

 二上山の安山岩・生駒山の花崗岩についての学習。

科学グループ

 太陽光発電について、観測データを取ります。

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 きつねTが書いた六年間のお便りを、250ページの冊子にしました。1年の入学から6年の卒業まで、毎週の教育エッセイ集です。よかったら読んで下さい。印刷実費1000円。事務室でお分けします。