秋吉台石灰岩 2005.11. 7
6年生は、広島と秋吉台へ行くらしい。秋吉台はカルスト地形と、秋芳洞という鍾乳洞で有名です。地質マニアのきつねTは何度も訪れた所で、行くたびに新しい発見があります。
この秋吉台周辺は、石灰岩という岩石で出来ています。石灰岩は、南方の温かい島の周りに発達したサンゴなどの石灰の殻が積み重なってできたものです。特に、古生代と呼ばれる頃の石灰岩は、サンゴ、ウミユリ、フズリナという生物の遺骸(いがい)が積み重なって出来ています。
では、南方の温かい島の石灰岩がなぜ、秋吉台にあるのかというと、最近の研究では、プレートテクトニクスで説明されています。南方から動いてくる海洋底プレートは、日本海溝で日本の下に沈み込みますが、プレートにのってやってきた一つの島が、日本海溝に引きずり込まれないで、日本海溝を乗り越えて日本列島に乗り上げてしまったと考えられています。その結果か、秋吉台一帯の石灰岩は、上が古くて下が新しいというように、島が転倒しているようになっています。
秋吉台には、秋芳洞という日本では最大級の鍾乳洞があります。鍾乳洞は、石灰岩の割れ目に水が入り込み、そこを地下水が流れることで出来た、地下水の通り道です。人がやっと通れるほどの小さな穴から、とても大きな地下宮殿のような空間もあります。現在も豊かな水が流れている鍾乳洞は、今もだんだん穴を広げていっています。
鍾乳洞の中には、いろいろな形の鍾乳石があります。これは、地下水で溶けた石灰岩の中の石灰分が、再びその流れの形に再結晶して出来たものです。つららのような形、カーテンのような形、つららが地面までつながって柱のようになった形、段々畑のような形など、いろいろな芸術作品のような鍾乳石の変化を見ることができます。写真撮影が出来ますので、ぜひフラッシュを使って撮影してきて下さい。
鍾乳洞の上の地上の地形はどうなっているか、これもしっかり見てきて下さい。地上は、羊群原と呼ばれるカルスト地形になっています。羊が草原で遊んでいるように、ポツポツと丸くなった石灰岩の岩体が、高原一帯に広がっています。そして、所々にすり鉢状の凹地があります。大きさによって、ドリーネやウパーレと言われます。そこは、地上の雨水が集まって地下へ流れこむ漏斗(ろーと)のような所です。真ん中の穴は、地下の鍾乳洞につながっているのでしょう。
かつてきつねTは、一時期ケイビングクラブ(鍾乳洞探検クラブ)に入っていたことがあり、そのとき、観光洞窟でない電気も地図もない洞窟探検をしたことがあります。一週間毎日、お弁当を持って洞窟に入って、地図を作ったり、写真撮影をしたりして、記録をしました。つなぎの服を着て、泥の中や水中を歩き、とても面白い体験をしました。洞窟の中は、真っ暗な世界で、電気を消すと暗黒です。

