野外観察の楽しさ 2005.10.24

 

 先日、奈良女子大学共生科学研究センター主催の東吉野村野外体験学習に参加してきました。あいにくの雨でしたが、美しい川と山に恵まれたすがすがしい雰囲気を味わってきました。

 これまで三十年近く野外観察をしてきました。主に地質学を中心に、各地の地質岩石放浪をしてきました。この石を見たい、この地層や地形を見ると決めると、本当に人のめったに行かない所まで出かけてしまうものです。例えば、日本人の観光客が初めて入ったのではないかと言われる韓国の山奥の村で三葉虫採集をしたり、先週号で書いたカナディアンロッキーのバージェス山登山をしてカンブリア紀の化石見学をしたり、オーストラリア西海岸のパースから飛行機で行くシャークベイでのストロマトライト見学、ハワイのハレヤカラ火山、アリゾナのバリンジャー隕石孔、アーチーズ国立公園と、普通の旅行では行きにくい所まで出かけてしまいます。また、日本国内では、火山見学を中心によく出かけました。昭和新山、阿寒、十和田、磐梯、蔵王、伊豆大島、三宅島、伊豆半島、富士、箱根、阿蘇、霧島、桜島、開聞、雲仙、大山、三瓶と、記憶をたどるだけでも、すぐに多くの火山が思い浮かびます。また、四国一周、紀伊半島一周、能登半島一周、九州一周、信州めぐり、東北一周、北海道半周と、仲間達と車をつらねて○○一周旅行に出かけて地質見学をしたり、壱岐、隠岐、五島列島、屋久島、西表島、石垣島、淡路島、利尻、礼文などの離島へ飛行機や船を使って渡り、レンタカーを借りて島巡りをしたりしてきました。計画した見学と、そのときの偶然の出会いが、快い満足感を与えます。

 なぜ、ふらふらと、毎年、旅に出かけてしまうのでしょうか。旅は5日~10日間ぐらい出かけます。地質見学旅行なんて、すぐに飽きてしまって、もう出歩くのも嫌になると思うかもしれませんが、いつも帰りたくなくなるというのが、旅の終わり頃の思いです。このままずっと旅が続けられたら、もう数日この地に居られたらいいのにと、いつも感じます。新しい風景、あの向こうの角を曲がると広がる未知の景色を追い求めています。見慣れない非日常の世界の中に自分がいる、かつて見た写真の中の風景の中の一部になっている、教科書で見た記憶が目の前に実際にある、何かワクワクしてくるではないですか。夢と現実がつながる瞬間、それが旅の風景との出会いのように思います。旅に出かけて、自分の目で見て、足で歩き、手でさわるなど、実際自分で体験することが、夢を追い求め、生きていくパワーになっているように思います。

 

▼これからの予定

3年生

 太陽の光と温かさの学習をしていきます。虫眼鏡や温度計を使います。ソーラーシステムなどについても調べます。

4年生

 星の動きと閉じこめた空気と水の性質の学習をしていきます。星の動きは、一気にしますので、観測お願いします。

5年生

 川の学習をします。川の観察へは行けませんので、近くの川の石や映像を持ち込んでもらい、それらの交流から奈良盆地の大和川を考えます。

6年生

 地層、岩石、火山の学習をします。まずは、地形と地質について学びます。三笠山安山岩、生駒花崗岩、大阪層群の中の石ころを集めています。持ってきて下さい。