未来教室の姿 2005.10.11
最近は情報インフラが発達し、どこにいてもインターネットなどでいろいろな情報を得ることができるようになりました。私が教師になったころは、「お天気レポート」を作るには、テレビか新聞しか情報源がなく、子ども達が扱える天気情報は、新聞の天気図しかありませんでした。また、教師が、子どもに台風について教える場合には、自宅のテレビの前にカメラを置いて、台風進路予報図や気象衛星の雲の映像を写真撮影していました。今でも、そのころのスライド写真が残っています。そして、しばらくしてからビデオ映像が手軽に扱えるようになり、天気予報をビデオに録画して、授業に使っていたころも思い出します。30年程の間の小学校の天気学習一つを振り返るだけでも、驚くほどの進歩がありました。
今、理科室では、インターネットにつながったコンピュータが教卓の横にあり、いつでもリアルタイムの情報を液晶投影機で大きく写して子ども達に見せることができます。その液晶投影機も、数年前では、真っ暗にしないと使えなかったのですが、最近は、室内の電気を消して少しカーテンを引くだけで、晴れた昼間でも使える明るい映像を得ることができるようになりました。また、理科室には、接写できるCCDカメラも常設していて、実験の様子や昆虫や植物を大きく写して、テレビ画面や液晶投影機で大きく見せることができます。さらに、顕微鏡用のCCDカメラも準備していますので、メダカの卵、花粉、プランクトン、デンプンなど、小さなものをとても大きく映し出して見ることができます。これは、子どもが各自の顕微鏡で見るよりも鮮明で、一緒に同じ映像を見て話し合うことができます。また、デジタルカメラも手軽になり、子ども達と学習園でヘチマやヒョウタンの花や実の観察をしているときに撮った映像を、理科室に戻って大きく写しながら話し合いができるようにもなってきました。私たちが子どもの頃の教育から考えると、本当に未来教室の姿が実現しています。
しかし、便利さとは裏腹に、私たちは実物からの観察や情報からの考察が弱くなってきています。インターネットには、便利な情報があり、子どもはそれをコピーして模造紙に貼るだけ、写すだけになって、自分の頭で考えなくなってきています。デジタルカメラの映像が簡単にプリントできるので、絵を描く習慣が減り、詳しく見る力を無くしているかもしれません。多くの情報を並べるだけの教育になってしまわないように、心掛けたいと考えてます。
▼これからの予定
3年生
月組は、秋の太陽高度の観測をします。星組は、月曜日が二回出来ませんので、その間に、太陽高度をして下さい。
4年生
月の観察をしながら、次の星の動きの観察に入ります。まだしばらく、家庭での観測になりますが、ご協力下さい。
5年生
気温、気圧、天気、雲の種類調べをしています。次の学習時間では、それをグラフ化したりして、天気変化の特徴をまとめます。
6年生
今週は、運動会の総練習などで学習が出来ません。来週、家庭の中にある液体を持ち寄り、酸、アルカリを、ムラサキキャベツを使って調べたりします。