理科の学習環境の管理 2005.9. 26
理科学習には、いろいろな学習環境が必要です。我が校のような、各先生が専門研究教科を持っている学校の場合、学習園の管理は、なかなか各学級では進めにくいのです。植える時は、いろいろ工夫されますが、それら植物の成長を管理していくのは、とても大変です。季節によって各先生方の出張が増えたり、自分の教室へ見学の方々が増えたりすると、学習園どころではなくなるのです。仕方のないことです。理科と技術職員さんで、一括して運営管理をしています。
また、理科室の薬品は、劇物、毒物に関して、きちんと現有量のリストを作り、使用薬品をグラム単位で管理しながら使うようになっています。劇物、毒物以外の一般薬品もリストを作り、現在どのような薬品を持っているかが分かるようにしています。これらに関しては、各学級担任によって、理科教育をしてもらうことは、現在のこの学校のシステムでは不可能のように思われます。例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、過酸化水素水などは、小学校の化学実験ではよく使用しますが、その原液はグラム単位で管理します。また、原液は3規定に薄めて子ども達が使用できるようにするのですが、これも慣れないと煩雑なことです。また、水酸化ナトリウムは、粒状のものを溶かして3規定水溶液を作るのですが、これも面倒な操作です。さらに、3規定濃度は、まだ劇物の範囲に入りますので、子ども達がそれらを取り扱う時は、とても慎重に教えなければいけません。もし誤って子どもがこぼした場合、子どもは慌てて拭いてしまい、手の皮膚を痛めてしまいます。もしこぼしたら、先生に伝えて、先生が拭くように約束しています。
その他、理科では生き物の世話もあります。メダカや植物は、毎日の餌やり、水の管理があります。これらは、観察の単元を終えたからと言って、捨ててしまうわけにはいけません。生きている限り飼い続けることが、生物教育では大切です。子ども達は、次々と違う物理や化学や地学の単元を学習していくのですが、メダカは生き続けお世話が必要です。さらに、飼育小屋には、ウサギとニワトリがいます。平日は飼育栽培委員会の子ども達が餌やりと掃除をしていますが、土日は、先生方が順番に来てお世話をしています。
このように、理科の環境は、多くの労力をかけて、維持管理されています。生きている理科教育の環境を維持するためには、膨大な手間と暇をかけて、守り続けているのです。しかし、心ない人にはそれが分からず、目先の時間数だけで割り切ります。
▼これからの予定
3年生
曽爾高原のレポートを作ります。個人で、観察した花や虫について、それぞれ記録を書いたり、表にしたりします。
4年生
月の観測に入ります。まずは、下弦の月からです。今週前半には、必ず一度観測をして下さい。
5年生
台風レポートの発表と、次の秋の天気変化について、レポートを書きます。台風レポートの体験を生かして、秋の天気の特徴をつかみます。
6年生
金属と、酸性、アルカリ性の水溶液との反応を見ていきます。班で分担して、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム水溶液、酢酸などを、個人実験として位置づけて進めます。