今森光彦さんの講演会 2005.9. 20
先日、大阪の花の万博15周年事業で行われた今森光彦さんの講演会を聞きに行きました。お話は「里山を歩こう」というテーマでした。100人ぐらいの講演会でしたが、テーマが歩こうとなっていたので、年配の山歩きを趣味としている人や、写真を志している人が多くいたように思います。私が、今森さんを初めて知ったのは、「昆虫記」という本でした。この本は、画期的な本で、最初見たとき、その構成の素晴らしさ、昆虫写真の巧みさに、とても驚きました。この人は、現在のファーブルではないのかと、思ったものです。何度見ても見飽きないその本は、今でも人に勧める本の一冊となっています。
今森さんは、比叡山の麓、堅田の棚田に心を引かれてその地に移り住み、里山塾というアトリエを開いています。個人でも広い里山を持ち、そこで、自然の写真を撮り続けながら、地域の人たち、そして、自然を愛する人たちと一緒に、観察会や執筆活動をされています。
今森さんの言われている里山は、人が生活の中で歴史的に作り上げた人工物だということです。村の人たちが生活のために薪を切り出す落葉樹を中心とした村の所有地で、古代から生活の中に位置付いて来ました。この比叡山の麓の堅田では、棚田と里山と農家と野仏そして農業用の小さな池が、日本の原風景のように美しく調和してきました。しかし、最近、この堅田地域も、どんどん開発が進み、田んぼの整地、川の護岸工事が行われてきています。都会の人たちが、このような現状を見ると、自然保護、風景保存を訴えたくなり、開発反対運動をしたくなるのですが、今森さんは、この地域に住み、農家の方々の棚田の労力、精神的負荷を思うと簡単に自然保護運動を起こせないと言われていました。しかし、田んぼの整地が進むと、このような地域の日本の固有の種である、タガメ、ミズカマキリ、ゲンゴロウ、メダカ、カエル、カメ、ニホンタンポポ、ヒガンバナなどの自然が確実に無くなっていくことも訴えておられました。
里山は、人と自然の共生空間で、世界的に注目されている自然環境の概念です。今森さんは、これからの里山の理解のために、子どもたちにメッセージを送り、里山に新しい価値を見出す活動を進めておられます。現在、日本の里山の9割はなくなっているそうですが、人工的に造るなら、もう一度、生き物のことを考えて、また、そこに住んでいる人たちの精神を生かした文化的景観の復活をめざしたいと、お話を終えられました。
▼これからの予定
3年生
曽爾高原に一緒に行きます。植物観察と昆虫の観察をします。デジタルカメラを使って記録をしますが、文字で回りの環境などについて、気づいたことも書いておかないと、観察にはなりませんよ。また、帰って来てから理科の時間に、観察できた植物や昆虫の一覧表を作り、考察を書きます。
4年生
光電池を使った車は家で作り上げて、次回の理科の時間に、走らせます。授業は、月の学習と動きの観察に入ります。4年月組は、26日に、道具作りと観察をします。ラップの筒を持ってくること。
5年生
台風レポートを仕上げて、次の秋の天気の資料を1週間集める。