台風の動きや特徴を調べる 20059. 1

 

 5年生の秋の学習では、台風の動きを調べます。5年生は勿論、他の学年の人も、このお便りを見ながら取り組んでみると面白いですよ。

 最近は、地球全体の温暖化が進んでいて、台風の発生も増えていると言われています。海水温が高くなっているので、南の海上で発生した台風が、勢力を落とさないで北上してきて日本にやってくる場合が多いようです。また、アメリカを襲った台風「カトリーナ」も905ヘクトパスカルで、過去50年間で最大級というすごい勢力でした。

 日本にやってくる台風は、どのような動きをするのかを調べていきます。最近、インターネットを多くの家庭で利用できるようになってきたので、アメダスや気象衛星からの雲の写真も、子ども達が扱えるようになりました。

 さて、台風の情報を集めるには、天気図と気象衛星から撮影した雲の動きを、毎日、新聞から切り抜いて、並べて貼っていくことが大切です。雲の写真や天気図は、新聞よりも、インターネットの方が鮮明な場合が多いので、そこからプリントするのもいいでしょう。

 台風が日本に近づいてくると、詳しい進路予想図が発表されるので、それらも一緒に集めると、台風の動きの特徴が分かると思います。

 日本列島に台風の雲がかかり始めると、雨が降り出したり、風が強くなってきたりします。アメダスの情報や、各地の天気、風向きや強さなどの情報も得ておくようにします。台風が日本を通りすぎて、温帯低気圧になるまで追いかけてみましょう。 

 さらに、勢力の強い台風の場合、陸地に近づいたり、上陸したりすると、各地に被害をもたらします。死者が出るような災害を引き起こす場合もあります。私たちが、同じような災害に合わないために、起こってしまった災害の状況を知っておく必要があります。新聞などの記事を集めて、状況を捉えるようにしましょう。

 また、自分が住む地域を台風の中心近くが通る場合、外に出るのは危険ですが、室内で気圧の変化を調べることが出来ます。気圧計をみていると、台風の中心が近づくと、気圧がどんどん下がっていく様子を、観察することができます。気圧計を持っている人は、ぜひ、挑戦してみて下さい。

 さらに、起こってしまった災害を防ぐには、自分の町ではどのような取り組みがなされているのかを、県や市のホームページなどで調べてみましょう。そのとき、かつての大きな災害を調べたり、避難場所や危険箇所などを調べたりしておきたいものです。各地域のハザードマップが出されている場合もあります。かつて、自分の町でも、同じような災害が起こっていることを知っておくことは、とても大切なことです。一つの台風が通りすぎて、いろいろな情報が集まったら、整理していきましょう。

 まず、今回の台風が発生から消滅するまで、どのようなコースをたどったのか、また、気圧の変化はどのようになったのかを、一枚の地図に書き込んでいきます。また、台風の一生(中心気圧や暴風域の広がり)を、表やグラフに表すのも、一つの整理仕方です。

さらに、日本列島に台風が上陸した時の、各地の風向きや気温や気圧の変化なども、工夫してまとめを作ってみると、台風の特徴が分かってくると思います。

 最後に、台風の発生の仕方や、内部構造などについては、参考書や百科事典などを使って調べてみましょう。

 これらをまとめて、「台風レポート」を書きます。問題意識を持って整理をした情報と、そこから分かる考察をきちんと書いてレポートに仕上げましょう。