ツバメの観察をしよう 2005.5. 9
昨年は学園前駅にもツバメの巣があったのですが、今年はどうでしょうか。
春になると、ツバメが南の国から渡ってきます。日本に渡ってくるツバメは、中国南部、フィリピン、マレー半島、ニューギニア方面から台湾を経て、琉球列島沿いに北上してきたものです。きつねTは、数年前に行った利尻島でもツバメが飛んでいるのを見ました。
ツバメの夫婦は、お互いが生きている限り、毎年同じ相手と、同じ場所へ帰ってくると言われています。そして、前の年の巣がどうなっているかを確かめて、修理をしたり、新たに作ったりします。また、若い夫婦は、初めての巣作りによい場所を、たんねんに探し回ります。
日本で見られるツバメには、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、ショウドウツバメ、ミナミツバメの5種類がいるようです。
★ツバメ 北海道南部~九州にやってくる。人家や歩道橋など人工の建物に巣を作る。特に駅や商店街など人通りの多い場所で好んで巣を作る。空中を飛びながら昆虫を捕る。
★コシアカツバメ ツバメより少し遅く、4月ごろに北海道~九州に飛来する。関西より西に多い。ツバメと同様、マンションや学校等の建物に巣を作る。巣はとっくりを縦に割って天井にはりつけたような形をしている。
★イワツバメ 北海道~九州まで、日本各地に飛来する。主に山間部の大きな建物、崖、洞穴、海岸の崖などに集団で巣を作る。巣は天井にはりついていて、横に出入り用の穴がある。
★ショウドウツバメ 北海道で繁殖がみられるツバメ。崖に70~80㎝ぐらいの横穴を掘り、集団で繁殖する。
★ミナミツバメ 琉球列島で繁殖する。ツバメに似ているが、尾が短く、胸部や腹部が褐色をしている。
ツバメは、昔から人々に親しまれていて、家の軒下や室内まで、あらゆる場所に巣を作りひなを育ててきました。農家の人たちは、ツバメが田んぼや畑の上を飛び回り、いろいろな害虫を捕らえることをよく知っていたからです。そのため、巣を作るための台を作ってやったり、庭に水をまき巣作りの泥を作ってやったり、納屋を開放したり、戸口にツバメの通り道を作ったりして、大切に迎え入れてきました。また、ツバメが巣を作れば、その家は金持ちになるとか、明るく幸福な家にはツバメが来るとか言ってきました。しかし、最近、ツバメの数が減ってきています。その原因として考えられているのは、①田畑が減り、昆虫が減ってきている。②農薬がよく使われて、昆虫が減った。③安全な巣作りができなくなった。などが考えられています。
ツバメの体は、とても速く飛べるようになっています。普通は時速50㎞ぐらいで飛びますが、最高200㎞も出せるそうです。また、翼のひとふりで、急に方向を変えたり、停止飛行ができたりするようです。親ツバメは、空中に停止して、ひなにエサを与えたりします。また、ツバメの足は退化していて、物に止まるぐらいの役目しか果たしません。足の弱いツバメは、地上に降り立つことはあまりありません。水浴びや水のみも、ほとんどの鳥は地上に降り立ちますが、ツバメは水面すれすれにかすめて飛び、瞬時に水をあびたり、水を飲んだりします。
春、日本へやってきたツバメは、一夏の間に二度、時には三度の繁殖を行います。春から夏の初めにかけてひなの世話をし続けた親ツバメは、ひなと別れて、二度目の繁殖をします。二度目も、ほとんどのツバメが同じ巣を修理して使います。親ツバメと別れたひなは、巣へはもどらず、仲間と一緒にすごします。
以上のような情報を基に、ツバメの巣作り、ひなの育て方、エサの取り方、飛び方などの観察をしてみて下さい。