ちいさな幸せの積み上げ 平成17年 3月10日(木)
六歳の幼い子ども達が出会い、それから六年間。とても長い時を一緒に過ごしてきました。歩いて風を感じ、立ち止まって空を見上げ、座り込んで地面の温かさに触れてきました。給食を一緒に食べたり、話し合ったり、泳いだり、走ったり。子ども達は、たくさんの人のお世話になり、育てられてきました。
体は、もうすでに親を追い越し、体力も十分に付き、部分的には親を越えるほどの知識も得ました。幼い子どもと思っていた小学生の学びですが、その間の成長は、人生の中で、一番急激な時期だったのかもしれません。
一人ひとり、成長の方向は少しずつ違います。偶然が与えてくれた違いを生かすと、自分だけの次の道がその先に見えてくると思います。受験に失敗したと落ち込んでいる人もいるかもしれませんが、進む方向が違っているから素晴らしいのです。それは、一人ひとりの価値が、比較され相対化されるものでなく、絶対的な個人の存在の価値にあるからなのです。全ての人の数だけ歩む道が違い、幸せの感じ方も違うのです。
人生には、目の前の課題をてきぱきとこなす能力も必要ですが、幸せをどんな場面で感じるかが、もっと大切なのではないでしょうか。幸せとは、本当は自分のすぐ近くにあると教えてくれているのは「青い鳥」の話です。私たちは、人をうらやみ、自分に合っていない幸せを探してばかりいて、自分の道さがしに迷っているのかもしれません。直ぐ目の前にある、自分を取り巻いている幸せを見つけて、日々、幸せを実感しながら、感謝の気持ちで過ごせるといいのではないかと思います。
最近の世の中は、病んでいます。自分の考えと違うと非難をして、文句ばかり、陰口ばかりを言うようになりました。自分を振り返り、人をうらやんだりしないで、自分に与えられた時間を十分に楽しむこと、そして、日々の身の回りの出来事に感謝しながら生きることが大切なのではないでしょうか。「満足と感謝の気持ち」を心にしっかり持つと、日々、幸せを感じることができると思います。これから、新しい世界に踏み出すみなさんは、一人ではありません。多くの方に守られながら、生活していくのです。
こぎつね小学校、ご卒業、おめでとうございます。
■250号
1年生の毎日の持ち物、時程の連絡から始まりました学年だより「まほろば」も、本号、250号を持ちまして終わりとなります。主にきつねTが書かせて頂きましたが、たぬき先生との日々の会話にヒントを得て書いてきましたので、大きな考えのずれもなく、六年間出し続けることが出来ました。有り難うございました。「まほろば」では、成長過程の子どもの様子や、教師の思いや願い、親の子育てへの関わり方など、実際にその場に臨んだときに書いたものなので、とても貴重な子育て記録となりました。私たち教師の教育論、学習法も、ここで培われてきたとも言えます。
今週の予定 下校
7 月 卒業式練習 16:00
8 火 卒業式練習 16:00
9 水 予行 13:40
10 木 卒業式 12:30
14 月 当番の保護者と子どもによる教室清掃
17 木 公立中学校へ挨拶
完