南方熊楠の森 平成17年 1月24日(月)
土曜日に、テーマが「南方熊楠の森」という大学の公開講座に参加しました。現在、学級で取り組んでいる、「紀伊山地世界遺産の研究」の動きに、私も実際に行動しました。会場につくと、お年を召された方ばかりで一瞬驚きましたが、そこに座っている自分も、それほど違和感が無いのに、少し悲しくなりました。最初からカセットを回して、居眠りをしておられる方も数人おられました。幸運にも、私にはとても興味のあるテーマだったので、居眠りもせず、しっかりメモを取りながら、聞くことができました。しかし、普段の高学年集会はいつも居眠りで、学級の子どもに注意されています。
さて講師は、松居竜五という京都龍谷大学の助教授が務められていました。私は、南方熊楠が書いた本や、熊楠について書いた本や、書簡集などを、古本屋さんを回って本立ての一段分ほど集めていますが、熊楠の書いたものは難しくてなかなか読む気になれないのです。そこで、今回お会いできた松居先生などの、熊楠について解説してくれている本などいくつか読んで、理解しようとしています。私が、南方熊楠に興味を持ったきっかけは、前回の卒業生に、南方Yさんという子どもがいて、熊楠の遠い親戚にあたるとか。嬉しくなって、たくさん本を読み始めた次第です。
南方熊楠は、この松居先生と同じように、東大に行かれていて、その後、アメリカやイギリスに渡り、自力で博物学の勉強をされた人です。イギリスの博物館や図書館に8年間も通い詰めて、手書きでいろいろな文献を写し、世界水準の博物学を学びました。帰国後、那智の山に3年間こもって、植物、昆虫、粘菌などについて、実際の野外で採集し、分類研究をしました。イギリスの科学雑誌の論文に、その調査結果を発表し、日本の博物学の先端を担っていました。さらに、柳田国男との交流もあり、民俗学にも広い見識を持ち、意見の交流をしていました。その時の彼らの往復書簡集は、とても興味のあるおもしろいものです。さらに、神社合祀反対運動を繰り広げ、南紀の神社林の保護を訴え続けました。
紀伊山地には、役行者、空海、そして南方熊楠の精神が眠っています。深い山々の峰の中に、三人の巨人の息づかいを感じていきたいです。
■最後の姿
小学校の出口の姿が、その子達の育ちの姿です。私たちは、今回の研究発表会の分科会で、6年担任の二人と専科の先生と一緒に、見学に来られた先生方に、小学校の出口で付けておきたい力について話をします。一般に、入試後の子ども達の姿は、入試に疲れ切って、覇気も、賢さも、人間的な温かい会話も、忘れてしまっています。どんな難関校に何人行ったことが凄いのではなくて、その子が本当の学ぶ力、自ら学び続ける力をつけているかが大切なのです。役行者も、空海も、南方熊楠も、自分の力で自分の世界を創りあげた人です。生き生きとした、友達と元気に学び合える学習者として卒業させたいと思います。内なる力を、磨きましょう。
■卒業前に
卒業文集、東京合宿のまとめ、御礼の色紙書き、御礼のパーティーの計画など進行中。
今週の予定 下校
24 月 16:00
25 火 16:00
26 水 16:00
27 木 16:00
28 金 16:00
29 土 休み
30 日 休み
31 月 16:00