本物に出合うこと 平成17年 1月17日(月)

 

 私たち教師は、教えること以上に、子ども達に、本物に出合わせることが大切だと考えています。子どもはそれぞれの心の中に、個性、感性の扉を持っていて、本物に出合うことでその扉が開かれると思います。

 教室は、教育効率がいいといって、教科書や映像で、いろいろ世間の事、社会や科学のことを学ばせ、テストで選別します。しかし、小学校から高校まで12年間、7m四方の壁の中に、たくさんの人数が一日中詰め込まれているのは、たまったものじゃありません。これでは、心が疲れてしまう子どもが出てくるのも当然です。ちょっと外に出ると、花が咲いていて、虫が飛んでいて、お寺があって、牛小屋があって、畑があって、学ぶべき場所は、実は教室の外にあるのです。また、図書館には、膨大な量の本があり、博物館、科学館では、世界の貴重な本物の事実に出合うことができます。プロのコンサートや美術展も近くで開かれています。出来るだけ、教室という箱の外で、上手に学べるようなシステムが必要です。

 小学生の頃は、知識も必要ですが、本当は、文化を体で知り、体験や基礎的な技能を身につけ、人としての心の安定を、学ぶことが大切だと考えます。荒れる成人式の様子を見ていても、知識だけで選別してきた入試制度に適応できなかった結果なのだろうなと感じます。世界はいろんな人に、いろんな形で開かれていることを、教育は知らせてこなかったのです。入試制度で勝ち残った人だけが、世の中の先頭に立って世界を動かし、幸せな生活をして、その人たちだけが裕福になれるのではないことを、本当は私たち大人は知っているのに、伝えていません。

 入試制度は、試験に勝ち抜いてきた人たちが作っているので、解消は難しいのです。では、知識の暗記量、記憶力だけにたよる入試制度から解放するのには、どうしたらいいのでしょうか。それは、今の世の中が必要としている力とは、どんな力なのかを考えないといけないと思います。塾産業に、日本の子ども達は、商品として組み込まれています。知識だけの序列化からの解放は、テストランキングからはずれた教育観を持ち、素晴らしい人を排出する学校を、多くの人が認めることからです。

 

■アメリカの大学

 アメリカの大学は、膨大な量の本を読ませると、英語のメアリー先生から聞きました。1000ページもの本を一週間で読んで、それぞれの章ごとに要約して提出というような課題もあったという話を聞きました。講座ごとに、課題を与えるので、読書量は膨大になりますが、夜中まで図書館にこもって読んでレポートにまとめて提出したということです。また、レポートに対して厳しい評価があり、一定規準に到達していない講座が多いと、大学から追放ということになるらしいのです。最近、日本の大学もシステムを変えつつあります。力のある学生を育てるような学校になってきています。受験を終えても、これからが本当の勉強です。

■寒さにまけず

 厳しい季節ですが、外掃除の人も頑張っています。班長が遅れることのないように。

 

  今週の予定      下校   

17 月  学級育友会   16:00

18 火                      16:00

19 水                   16:00

20 木                   16:00

21 金  休み(新一年入検)

22  土  休み 

23  日 休み(教養講座)

24 月          16:00