自利と利他 平成15年1月27日(月)

 

 「物やら何やら、物欲を追求するのはもう懲りた。今後は、自分のことはさておき、人様のために尽くしていかなければならない。」と、比叡山の山田恵諦さんのお言葉です。多くの現代人は、自利のためにのみ動き、キリストの説く「愛」やお釈迦様が説く「慈悲」の精神を、忘れかけているのです。政治家も、「自利自利」で行動する人が多くなり、本当の良心で行動している人は少ないということです。

 アメリカの成功した経営者は、自分の余生を、芸術品を集めて寄付したり、若い芸術家を育てる資金を出したりというような活動をしている人も多いと聞きます。税金制度がうまく機能しているためであるともいえますが、世の中から稼がせていただいたお金を、自分のためだけでなく社会に貢献するために使う、崇高な考えだと思います。日本でも、上に立つ人、社会を動かす人の利他の精神が望まれます。

 教師ももちろん、自利のためでなく、利他のために行動することが求められます。自分の出世は別にして、今、子どものために何が出来るのかを常に考えます。私達の学校の教師は、大きな出世は何もありません。子どものため以外の唯一の行動は、よい学校としてのステイタスを維持する努力です。副校長になることは、授業が出来なくなるので、それは大きな希望ではないのです。子どもと共に過ごしながら、よりよい教育のあり方を追究し、子どもの成長を見守ることが、私達の望みなのです。教師個人が有名になってしまうと、子どもから離れてしまい、結果的に何も得るものはないのです。

 今、道徳教育が、話題になってきています。戦前の軍部による、押し付け道徳の印象から、道徳を嫌う人も多いのですが、人間が社会の中で生きていくための最低限度のルールを示す必要はあります。「先生にしかられるから、宿題をしないといけません。駅員さんにおこられるから、騒いだらいけません。」と、注意するお母さんが多くいます。これは、「○○のために、死んでいかないといけません。」と同じ言い方です。穏やかな学校をどう作るのか、気持ちのいい社会はどう作るのかの利他の視点が大切です。自分のためだけでなく、本当のいい行動とは、人として守ることは何なのかを、考えられる人にしていきたいものです。

 

■法人化

 先日、文部科学省の方とお話しする機会がありました。私達もこれまで、いろいろ勉強してきて知っているのですが、「あと一年で国立ではなくなる、先生方は非公務員になる」と聞かされると、少し慌ててしまいます。今、この歴史ある学校をどのように残していくのかを真剣に考えないと、時代の変革の隙間で、無くならないか心配です。

 奈良の歴史と文化の中ではぐくまれた「しごと」「けいこ」「なかよし」の学習は、現代教育の原点を表現します。「子ども主体の学習形態」は、真の学びの姿を示します。何があっても、私達の教育をアピールしながら、学校の生き残りをかけて法人化に臨まなければいけないようになっています。

 今の4年生が、法人化一年目の我が校の顔である6年生となり、第一期の卒業生となります。

■縄跳び

 自転車と一緒で、小さいうちに身に付けておくことが大切です。今年は二重跳び20回ぐらいを目標にしましょう。

 

  今週の予定      下校   

27  月                    15:50

28 火          15:50

29 水               15:50

30 木                           15:50

31 金                              15:50

 1 土 <休み>

 2 日 <休み>

 3  月                    15:50