調査旅行 平成14年9月7日(月)
学習の自立を目指した今回の「しごと合宿」で、成果を上げるためには、自分自身の学び方が問われます。このような調査旅行では、①自分がそこで何を学ぶのか、②どのように取り組むのか、③何を記録してくるのかが課題となります。
「何を学ぶのか」ということについて考えると、まず、適切な目的を持っているのかということです。目的を持っていると、現地での多くの情報の中から自分自身に必要な情報を取り出せます。今年の夏、利尻・礼文島へ行きました。そこで学ぶことはいろいろありますが、私自身は、火山の形態、岩石、生物関係の情報を得てくることでした。博物館には必ず行きました。博物学、民俗学、歴史などの幅の広い展示から、全てを学ぶのではなくて、生き物や地誌を中心に学びました。島を歩いている時には火山の形を観察したり、岩石を採集したり、花や昆虫の写真を撮ったりしました。人によっては、コケの研究、氷河の研究、漁業の研究もできますが、私は、火山と生物の研究で行きました。
次に、「どのように学ぶのか」ということですが、観察、採集、記録、実験など、いろいろあります。本から学べる事は、後でも読めますが、現地の人に聞かないとわからないことは、必ずお話をしてもらって、メモをしてくることが大切です。採集も可能な範囲でします。出かけたときは、現地でしかできないことを頑張ります。事前学習をしっかりしておいて、現地でしかできないおたずねや採集の計画を立てておくことが大切です。
最後に「どのように記録をするのか」です。地図、カメラ、録音機、フィールドノートなどを活用して、データを収集します。聞き取り、調査、採集、博物館などで情報を得ます。利尻・礼文島の小さな博物館では、博物館から出されている研究冊子類がないので、自分で書き取った記録が大切です。また、野外調査では、何をデータとして記録するのか。これは、何度も体験して、失敗しないと身に付かないのですが、目的をしっかり持っていると、適切な記録ができるようになってきます。
さて、みなさんの「しごと合宿」、どんな成果が上がるのでしょうか。ふざけて時間を無駄に使うと、何も記録をしないまま時間は過ぎていきます。個人の力が試されます。
■おもいやり
なにげない言葉が、人を傷つけることがあります。自分が思う以上に、相手の心を痛めます。無意識に、また、悪気無くしている場合と、意図的にしている場合があるのですが、どちらも、結果として相手を苦しめていることでは、同じなのです。しかし、基本的には、悪意に満ちた人はいないと思います。互いにしんどさを抱えながら、みんな生活をしています。互いのしんどさに共感できる心が、おもいやりにつながるのです。
千日回峰のビデオを何回も見ました。自分の体の生と死の境目で、修業を遂行する千日回峰。人間は、究極の生活の中で初めて悟りを開きます。私は、どんな峰を千日間回る修業をしているのか。その修業は、誰のためにしているのか。自問しています。
■しごと合宿 集合・解散
集合 比叡山 7:50
城、博物館8:10
解散 全員 16:45
今週の予定 下校
9 月 6時間学習開始 15:30
10 火 しごと合宿
11 水 しごと合宿
12 木 13:30
13 金 13:30
14 土 <休み>
15 日 <休み>
16 月 <休み>
17 火 13:30