温故知新 平成14年9月2日(月)

 

 夏休みの間に、いろいろな事を体験し、また一つ大きくなって登校してきたと思います。先生達二人も、夏の間に多くの学校の研修会に呼ばれて出かけていました。私達は、この学年の子ども達の話をしながら、これからの日本の教育の在り方について話しました。理科や算数の具体的な指導法についても話しているのですが、基本的には、「日直を中心とした学習の進め方」、「子どもが学習へ臨むときの姿」、「個人が頑張る学習」などのテーマで、話をしています。その時に使っている資料が、今、目の前の子ども達の学習であって、子どもが作った作品、模造紙、学習ビデオです。私達は、理論ではなく、私達の大切な子ども達の伸びている姿を示しながら、学習を語っています。

 さて、夏休みに、大正時代の理科の教科書を手に入れました。古本屋で見つけて、購入しました。かなり時間をかけて端から端まで読み、ショックを受けました。とても、具体的に自然を観察することにより、詳しい学びをしています。かつて、次のような文章を書きました。

 「現在の理科の教科書には、①植物では、タンポポ、ハルノノゲシ、スミレ、レンゲ、アザミ、オオイヌノフグリ、ツクシなどの野辺の花が全くありません。②アサガオ、ヒマワリ、コスモス、チューリップ、ヒヤシンス、クロッカス、スイセンなどの当たり前の栽培植物もありません。③カミキリムシ、コオロギ、セミ、カナブン、アリなどのよく見る昆虫の名前が出てきていません。④タイ、ヒラメ、サバ、アジ、イワシ、マグロなどの海の魚、クジラ、イルカ、オットセイなど海の生き物も出てきません。⑤イソギンチャク、ヒトデ、ウニ、アメフラシ、ヤドカリなど磯の生き物もありません。⑥ザリガニ、フナ、エビ、アメンボなどの池の生き物もありあません。⑦サクラ、モミジ、イチョウ、アジサイ、ハギ、ケヤキ、クスなどの木の名前もありません。⑧カタツムリ、ミミズ、カナヘビ、ムカデ、ダンゴムシ、オケラ、カ、ハエなど身近な生き物も出てきません。⑨ミカン、リンゴ、ハクサイ、キャベツ、イネ、ムギなどはどのように生育するのか知りません。その他にも、雲の名前、山や平野のでき方、大陸移動、南極の氷河、海水、鉱物、岩石、恐竜、地衣類、キノコ、シダ、かび、ドングリ、森の変遷、高山植物、日本の動物、街路樹、太陽系、彗星、流れ星、銀河宇宙、隕石、月面など、本当に当然書かれているべき内容が記述されていません。」

このように、例えばタンポポという言葉が出て来ないのには、本当に驚きです。コケやシダを、どのように表現してよいのかも子ども達は困っています。日本にどんなほ乳類がいるのか全く知りません。木の名前もサクラ以外、一切教えません。海の生き物も、土の中の生き物も知りません。どうしてこんな状態で、自然を大切にする、環境を守ることができるのでしょうか。子どもはやはりいろいろ学ばないといけません。教科書に書かれていないと知識になりません。なぜ、このような生き物の名前を載せること、宇宙や大地の知識を説明することを嫌うのでしょうか。理科の教科書が面白くないのは当たり前です。

 大正時代の小学生は、ここに書いた殆ど全ての物についてしっかり学んでいました。本当に大正期の教科書を見て驚きました。なぜ現在、こんな教科書になってしまったのでしょうか。

 

■しごと合宿

 しごと合宿は、来週の9月10~11日に行きます。初めてのお泊まり学習ですが、しっかりとした下調べが進められていると、いい取り組みが出来ると思います。私達教師も、何度も下見に出かけて、交渉に当たってきました。幾度、「ありがとうございます」「宜しくお願いします」と言ったか分からないぐらい、沢山の人に合いました。子どもの合宿にかかる費用の何倍もの費用を掛けて、準備を進めています。殆ど、教師個人の持ち出しになっていますが仕方ありません。それほど、私達は、この学習にかけています。子どもの自立した学びの大きな一歩になることと信じています。

 教師と親は、影の部分で頑張り、子どもはしっかり、舞台で頑張る。そんな教育が、私達の望みです。

 

  今週の予定       下校   

 2 月 しごと合宿説明会   13:30

 3  火            13:30

 4 水           13:30

 5 木 弁当        13:30

 6 金 プール納会     13:30

 7 土 <休み>

 8 日 <休み>

 9 月 6時間学習    15:30

  (弁当日 月・木)

 

■プール納会

 金曜日は、プール納会です。9時30分~12時です。当日、雨天は、月曜日に延期。