努力をする 平成14年5月13日(月)
情けないことですが、教師の間でも、努力することや、まじめに取り組むことをバカにする風潮があります。子どもに対して「あいつは、まじめ過ぎる。」「ちょっと柔らかくしてやらないと、あいつはだめになる。」と、いうような言葉がやり取りされます。私は、そんな言葉を聞いて、ぞっとします。公立の学校でも、研修は適当にして、サボることしか考えていない人もいます。楽をして、「せんせい」をしようとしている人が案外多いのです。そんなせんせい達は、人当たりがよいので親受けをしてしまいます。結果的にそんなせんせいを許して、子どもが被害を受けています。親は楽でいいのですが、子どもは学級崩壊、いじめで苦しんでいるのです。政治家も、役所の人も一緒です。外務省問題、政治不信もここからきているのです。人に奉仕する職の人は、基本的には、まじめに努力をする人でないといけないのです。
まじめに生きる。このことが忘れられていないでしょうか。まじめに取り組む人の悪口を言うのは簡単なのです。一生懸命は、裏返すと余裕がないので、自己防衛ガードが下がっていて、文句を言われやすいのです。そこに付け込んでとやかく言うので、まじめな努力は簡単に壊されていきます。子どもに対しても一緒です。一見良識を持った大人達から見ると、ちょっと的はずれのような事に懸命に取り組んでいる子どもがいます。案外それが、学級のため、先生のためと言う場合が多いのです。そんな子ども達の真意を聞かないで、「バカじゃないの。そんなことしている時間があるのだったら、勉強しろ。」と言ってしまったらもうおしまいです。二度とその先生は信頼されません。その子にとって、誠意、努力という気持ちが根こそぎ倒され、立ちあがれなくしてしまうのです。一生懸命は、壊れやすいガラスの結晶です。
信頼が努力を生む。では、信頼は、どこで生まれるのか。それは誠意しかないのではないでしょうか。道徳のような言葉が並びますが、この道徳が最近バカにされ過ぎて、人と人の関係が希薄で上っ面になっています。他人の悪口を言い合うことでつながりを持つ情けない関係の中では、文化や芸術や本当の学びが成立しません。学級は、まず、互いに心からの信頼があってはじめて、素敵な学習ができ、伸びていくのです。心を集める取り組みを一つひとつ積み上げながら、互いの信頼を創り上げ、努力の出来る子どもを育てたいと思います。
■「親をやりすぎる親たち」
外国の訳本ですが、最近本屋で見つけて読みました。帯には、以下のような事が書かれています。
『親であることに疲れていませんか。「よい親」になろうとがんばりすぎていませんか。現代の親たちがいかにやりすぎているかという現状を厳しく検証し、親も子どもも、心地よく暮らせる方法を教えてくれる、「よい親」プレッシャーからの解法の書。』、なんだそうです。
中表紙には、『子どもが自分の生活を管理できるようになるには経験が必要だが、多くの親は、子どもが実際に学べる環境を奪い取っている。成功に力点をおいて、いい成績だけを望めば、子どもは学びにくくなる。ときには、失敗から学び取れる環境が必要だろう。』とありました。
今週の予定 下校
13 月 弁当 15:50
14 火 15:50
15 水 15:50
16 木 弁当 15:50
17 金 星空観察会 16:00
18 土 <休み>
19 日 <休み>
20 月 弁当 15:50
■星空観察会
17日金曜日 午後6時30分~9時、学校でします。雨の場合は、翌日、土曜日にします。