学習する集団 平成14年4月22日(月)

 

 かつて書いたかもしれませんが、私自身の教師としての授業の在り方が変わったきっかけは、今からもう20年も前、ハーバード大学の授業をテレビで見た時でした。次週の講義までに読んでおく論文や本をいくつか指定しておいて、それを読んで来たことを前提として教授と学生が討議学習をしていくのです。あとで分かったことですが、アメリカの他の多くの大学でも、そのような形式で授業をしていました。教える、教えられるという関係でしかそれまで思っていなかった学校の在り方から、全く違った学びの形があることが分かったのです。一つの、たった1時間のテレビ番組が、大きく私自身の教師観を変えました。

 それから、自ら学ぶ学習方法を公立小学校でも、いろいろな形で実践をしてきました。テレビを見た次の日に、さっそく朝早く教室に行って、机の並べ方をV字に変えました。集団で討議ができる教室です。そして、教師は黒板の書き役に徹して、子どもの学びを構成していきました。また、ある時は、子どもと同じ机に座り、子どもと同じ視点で、疑問を追究する一人になり切りました。子ども達は、3年間で、とても素晴らしい学びの集団を確立し、学年のあらゆる行事や学習の多くを、自分たちで自主運営するまでに育ち卒業していきました。

 そんな公立校での子ども主体の実践の2回目をしているとき、こぎつね小に来ることになりました。こぎつね小は、素晴らしい学校だと聞いていたのですが、来た瞬間、本当に自立した学習をしている児童は少ないなと感じました。遠足も、運動会も、集会も、臨海合宿も、学習も、全て教師が決めて、動かしているものでした。教師が出ていない場合は、昨年の繰り返しで動き、子どもは、なんの工夫もしていません。考えないで、伝統?を引き継いでいるだけなのです。子どもが生きた学習の姿とは、こんなものではありません。学級全員が本気で学習に打ち込み始めた集団の力は、目を見張る能力を発揮します。

 集団で学ぶためには、まず、集団での学びのよさを実感するところから学びを立ち上げていく必要があります。そして、個人が互いに尊重しあって、互いに学び合う信頼を築き上げなければなりません。集団の発展と個の成長、これがバランス良く進んでいくと、素晴らしい学習集団の中で、個が光り始めるのです。いい集団で、いい個性が輝きます。

 

■めんどくさい?

 我が校は、研究校です。みなさんは、その研究校を承知の上で入学されています。我が校の名前は、ブランドでもステイタスでもありません。子どもにとっての学習の可能性、広がり、能力の開発などを、いろいろな側面から追究していく学校です。新しい教育、研究的な学習に対して、保護者は研究熱心な先生と一緒に取り組みたいという意向を持っておられると、我々は理解しています。公立校では、時として研究熱心な先生、子どもに一生懸命すぎる先生は、浮いてしまう場合がありますが、我が校では、みんな熱心なので、教師間で足の引き合いはありません。幸い、私達の学年の保護者の皆さんは熱心で、協力的なので、私達は助かっています。これから、高学年に入学です。共に研究ですよ。

 

  今週の予定       下校   

22 月 総会・育友会    14:30

23 火 遠足      16:30

24  水                 14:30

25 木   弁当            15:50

26 金                    16:00

27 土  春の運動会           12:30

28 日 <休み>

29 月  <休み>

30 火 <休み>

 1 水 <休み>

 2 木         15:50

■運動会が雨の場合、2日木曜日に延期されます。