複雑系の学級 平成13年12月 3日(月)

 

 今、子ども達は、複雑系の中で生きています。複雑系というのは、水面のような「境界」をイメージしてみてください。液体の水のように、分子が互いに引き合っている状態ではなく、気体の水(水蒸気)のように、自由気ままに飛びまわっている状態でもないのです。液体と気体の間を分子が常に行き来している、「水面の状態」をいうのです。少し条件が変わると、どちらかに偏って動いてしまう、動的な状態をいいます。

 いろいろな学校へ行くと、徹底した管理と躾で、水のような、氷のような分子状態の学級があります。これでは、自分でものごとを考えたり、判断したりできない子どもになります。一方、気体の分子のように勝手気ままに飛びまわって、統制のない、無法地帯の学級もあります。管理された学級と崩壊した学級、どちらもいい学級でないことは分かります。そこで、普通は、その中間がいいと安易に考えがちですが、今、ここで言いたいのは、単なる中間ではないのです。それが、この複雑系という、両方の要素を兼ね備えた境界の状態なのです。すごい勢いで液体から気体、気体から液体へと変化し続けている動的な一瞬の状態を指します。

 この状態で大切なことは、分子が動いていること、状態変化(相転換)を常に起こしているということです。分子を子どもと見ると、子どもはいつも動いていて、互いに影響を及ぼし合っています。なお且つ、一定の状態を保とうと、変化の中に水面という「動的安定」を探ります。

 学級をこの状態に保つには、とても大きなエネルギーが必要です。一般的には、教師はつい安定した水の状態や氷の状態の分子配列を取ってしまいがちですが、それでは子どもの突き抜けるエネルギーを引き出すことが出来ません。安定から飛び出す瞬間に見せる、エネルギーに満ちた輝きのある姿が見られません。親や学級から突き抜けて活動し始める瞬間を体験できません。このような、「相転換を起こすエネルギーレベルを内在させた、複雑系の学級状態」が、子どもに活力を与え、生きる力を育てる場となるのです。

 教師や親は、つい、イライラしてしまって押さえ込んでしまったり、バラバラになりすぎて崩壊させてしまったりします。一見、静かな水面ですが、実は、目に見えないところで分子の活発なドラマがあるのです。私達は、そんな「複雑系の学級」を維持していこうと考えます。

 

■きまり、モラル、常識

 学校の帰りに、カバンをもったまま塾や習い事へ行っていませんか。必ず家に帰ってから行くようにしてください。また、帰らず行く場合は、親がカバンの交換をして、健康調べをしてから行かせるようにしてください。それは、学校のきまりです。校舎内では、携帯電話の電源を切ってください。電話をかける場合は、校舎外でお願いします。体育館も同様です。これは、モラルです。

 狂言の観劇中、3年生は静かに、話したいのを我慢して聞いていたのですが、母親達のうるさいのが気になりました。教室内でも、先生や子ども達が話し合いをしているのに、私語をする人がいます。かなりの緊張感の中で、学びが進んでいます。学習、終わりの会の参観者が、私語をしないのは常識です。

■歩走練習が始まります

 納会だけで力を付けるのではなく、練習過程が大切です。休まず走りましょう。たかが一週間ですが、子どもは確実に育ちます。

 

  今週の予定       下校   

 3  月           2:40

 4  火 音楽会      2:40

 5 水                        2:40

 6 木 歩走練習始    2:40

 7 金             3:00

 8  土 <休み>

 9 日 <休み>

10  月 個人面接①    2:40