文化を学ぶ 平成13年11月19日(月)
今年の秋は急に気温が下がったせいで、紅葉がとても美しく輝きます。古代の神々が出てきそうな山の辺の道も、すっかり錦に装い、蜜柑や柿の実りが青空に映えていました。
かつて万葉集が、古事記が、この奈良の地で編纂され、古代の文化を伝えます。私達は、日本の長く引き継がれた文化を誇りに感じ、いにしえの生活に思いを馳せます。古代国家の歴史は、多くは血生臭い政権争いに明け暮れ、文化も一部の権力者の手の中にあったのかもしれません。大きなお寺の建立の裏には、民衆が犠牲を強いられ成り立っているのでしょう。しかし、そのようにして、私達の祖先は、結果としての日本の風土と文化を創ってきたのです。
「総合的な学習」が来年度から本格実施されるので、我が校の「しごと」学習が脚光を浴びています。教科書がなく、各学校の創意工夫、子どもの興味、地域の特色に応じた学習を作るということだけが指示されているので、公立小学校の先生方は、我が校に助けを求めてきます。何を、どのようにすればいいのか、初めての取り組みに困ってしまっているのです。
私達の「しごと」学習では、「奈良の文化研究」をしています。文化とは、国語や算数や理科などの教科に分けてしまえない、総合的な側面を持ちます。例えば赤膚焼き、三輪素麺、奈良団扇、奈良漬、柿の葉寿司、墨、筆など、それらは単なる産業ではなく、そこに内在する時間的空間的な広がりを捉え、奈良の地に住んでいることを誇りに感じます。そして、奈良での存在理由を問うことで、文化の学習に高めていくことが出来ると感じています。それぞれの地に、それぞれの文化があります。「海の文化」「川の文化」「山の文化」「里の文化」「村の文化」「下町の文化」。私達は、自分の住む地域を文化として捉え、他の地域に誇れる良さを見出し、自分とのつながりの中で理解をしていく作業をします。子どもに地域住人としての根を意識させる学習と考えています。
子ども達のいろいろな「さんぽ」「見学」に、保護者の皆さんも付き合いながら自分の住んでいる奈良を、子ども以上に学んでおられることと思います。奈良に住みながら、奈良を知らなかった方も多いのではないでしょうか。子どもと共に、そろそろ、我が校の学びの形が見えてきたのではないでしょうか。見学に来られた先生方に、保護者が我が校の学習法を語っておられる場面もあります。子どもと同じぐらい「文化の学び」が進んでいるようで頼もしいです。
■覚える
分かっても分からなくても、とにかく覚えることの大切さがあると思います。脳のトレーニングと共に、日本の文化のリズムを身につけることにもつながります。子どもにとって暗唱は、とても大切な学習活動です。詩、俳句、百人一首、古文、漢文などを対象にするといいのでしょう。
漢字も、3年生の配当漢字を完全にマスターすることは、勿論大切です。さらに、どんどん読める文字、書ける文字を増やすことも大切です。日記帳に辞書で調べた漢字を使いながら、新しい言葉を覚えていってほしいものです。新出熟語は、漢字で覚えるようにしてください。中国は簡略漢字を使っていますが、日本は、まだ比較的、成立に近い文字を使っています。この、素晴らしい漢字文化を、ぜひ残していきたいものです。
■音楽会近づく
音楽会が近づいてきました。伴奏のピアノの人、合奏の各パートの演奏、個人練習してください。
今週の予定 下校
19 月 2:40
20 火 弁当 2:40
21 水 2:40
22 木 2:40
23 金 <休み>
24 土 <休み>
25 日 <休み>
26 月 音楽会日課 2:40