地道な教育 平成13年6月11日(月)
学校の花壇、学習園の管理、生き物の飼育は、手間と時間のかかる仕事です。栽培では、苗を買って植えるもの、種から芽を出させてそれを植え替えていくもの、球根を植えるものなど、やり始めると、とても時間がかかります。くわを持つ機会が多いので、手にまめが出来ています。見かねて手伝ってくださる方もいますが、水やり、雑草ひき、肥料与え、植え替えは、全て毎日のお世話にかかってきます。学校は広いので、ベランダでの栽培とは比べ物になりません。飼育は、さらに大変です。「うさぎやにわとりを飼うことは必要あるのか」という事を会議では議論されますが、子うさぎを抱きに、休み時間ごとに来る児童が多くいるのも事実です。昨年から土曜日が休みになって、担当の教師と技術職員さんが、休みごとに一年間出てきてエサやりをしました。技術職員さんは、大変すぎると怒ってしまって、三学期は、全て教師の手に任されてしまいました。来年度からは、毎週土曜日が休みになります。数人の人の労力だけではとてもやりきれないので、保護者にSOSを出してお願いしました。
地道な教育、これはとても大変なことです。地道な教育は、時として、今よく言われる「変人」として見られます。小泉総理が、「変人だらけの集団では、マトモな人が変人にされてしまう。」と言ってくれています。私たちの学校の教育も、日本の教育の中では、「変人」の部類に入ります。本当に大切な、子どもの根底から教育に取り組んでいる学校は案外少ないので、私たちの取り組みを広げる意味があるのです。子どもの根底からの教育とは何なのか、それは、「一人ひとりが、多面的な活動の中で、自分に合った生きる力(自律する力)をつけていくこと」なのです。それを理解してもらうことは、大正期からの永遠の課題なのです。
日曜日の新聞に、ドイツ在住のクライン孝子という作家が、現在の日本の状況について考えを書いていました。彼女は、「帰国するたびに、表面的に増す豊かさとは裏腹に、自堕落、無気力、無責任が社会を覆っていくように思われ、なんて『お気軽』な国なのだ」と述べています。マスコミは、政治の世界をゴシップの世界にすり替えてしまいます。「自堕落、無気力、無責任」について、誰が責任を持つのでしょう。私たちは、教育が大きな役割を果たすと思っているのです。教育が「自堕落、無気力、無責任」になってしまってはいけません。
●悲しい事件
先日、池田小学校で、あってはならない事件が起こってしまいました。その痛ましさには、怒りを覚える前に、涙が止まらない状況です。本当に最近、このような事件が増えてきているように思います。学校の管理体制だけでは防げない、いつ、どこでも起こりうる、時代の抱えている怖さを感じます。世界一安全な国は、もう昔話になってきているのかもしれません。町に開かれた学校は、成立しなくなってきています。子どもが、子どもを刺してしまった事件もありました。少し前には、教師も刺されています。日本全体が、イライラした、殺伐とした、ヒステリックな時代になってしまっています。しわ寄せは、いつも弱者に、子どもにきています。弱者が、弱者同士、傷つけ合う、悲しさがあります。
今週の予定 下校
11 月 2:40
12 火 弁当 2:40
13 水 前日準備 1:30
14 木 学習研究会
15 金 学習研究会
16 土 11:50
17 日 <休み>
18 月 2:40
■研究発表会
それぞれの学級で、登下校時刻が違います。他の学級の授業中に登校する場合、静かに行動しましょう。