心の宇宙 平成13年5月7日(月)

 

 感性の海の中を小舟で漂う。細い月がゆりかごのように回り、星のスパンコールが川になって流れる。小さな銀河が、おとめ座の片隅で渦を巻く。痛いような寒さが肌をさし、孤独の静寂が張りつめた空気を突き抜ける。私は、何処へ行くのだろうか。平行に立てた鏡の中に無限を見てみる。誰もその向こうを見たことがない。宇宙の向こうに何があるの。無限宇宙を自由に駆けめぐる心は、時間と空間を飛び回り、駆けめぐる。太陽が急に輝き、珊瑚礁の白い海岸に座ってみる。エベレストの山頂はどうなっているのだろうか。どこへでも行くことが出来る、何でも出来る、そんな力を私は得た。私の世界は、時間へと開かれ、私の今を、突き抜ける。心の中はいつも温かく、無限に歩く楽しみがある。今の私の存在は小さな時空間。閉じた部屋からパルスを発信してみる。宇宙の彼方へ送られたパルスに対し、心の中へお返事が来る。何もできないけれど、一億分の一だけ、一緒に感じることができる。

 今日も一日、いい日だった。心と心が、握手をすることができた。目のずっと奥で、ほほえみを交わすことができた。そっと触れた背中へ、温かい電流が流れた。流れてきた。何度も何度も、言葉で言っても伝わらないことが、一瞬にして、全て伝わる。心の片隅に自分以外の人を住まわせる瞬間。野原や、山を、どこでも一緒に歩く事ができる。霧がかかった山道も、見知らぬ小道も大丈夫。自分の力が、解放されて、ずっと向こうが見えてしまう。見えない力が、自分を導く。見えない力がつながっていく。

 大切なことは、本当の優しい心。本当の優しさは、時には残酷さを秘め、冷たさをも感じる。相手を思いやるために、自己犠牲も惜しまない。自分の内に悲しみをいっぱい抱えて、その向こうに見える世界を、静かに温かく見つめることかもしれない。弱さでつながることではなくて、優しさで温め合うこと。光を与えて、少し先を見えるようにしていくこと。涙よりも、ほほえみ。弱虫、泣き虫、毛虫も、少し先には、きっと楽しいことがあるはず。心は、大空間を飛び回り、時間を駆けめぐる。そんな、心の宇宙を、私たちは生きている。

 私たちは、小さなかがやく星。人はみな光を発して、その光で温め合い、照らし合っている。空の星達のように、集まれば明るい。

 

●教育を芸術に高める

 教育は、単なる作業ではなく、訓練でもないことは分かります。存在を、あらゆる可能性によって追い求めることだと思います。教育を、本当に芸術の域に高めることができるのでしょうか。もしかしたら、子どもが生きている活動や、子どもの発想や夢は、ピカソや岡本太郎や榊莫山に通じるところがあるかもしれません。彼らが作品を作る時のように、教育も一つひとつの言葉、行動、表情、間を、芸術的視点で捉え直してみることなのです。偶然を必然にし、子どもの姿を美学として捉えなおして見ると、全てがいとおしい存在として響き合っているのが見えてくるのです。毎日の一時間の学習時間を、より高い感性の域に、調和のいい時間にしていくことを、私たちは望んでいます。

 

  今週の予定       下校   

 7 月                   2:40

 8 火 弁当        2:40

 9 水                          2:40

10 木                         2:40

11 金  集会 弁当     3:00

12 土 <休み>   

13 日 <休み>

14 月                 2:40

●理科

 植物の栽培と、チョウの幼虫の飼育をします。学校に来られたとき、ちょっとのぞいてください。