心を失う世の中のしくみ 平成13年2月26日(月)

 

 教師としての直感ですが、コンピュータのゲームが、子どもの心と脳を痛める。あの強烈な映像とスピードは、感情のコントロールに良くない影響を与えていると思います。

 世の中全体がおかしくなってきています。昔は、一生懸命、定期預金の誘いに来ていた銀行が、給料の振り込みによって、我々庶民は行員を見ることがなくなりました。そして銀行は活力を失いました。共通一次テストが導入されることにより、各学校で作っていた入学テストが縮小され、大学は個性を失ってしまいました。スーパーマーケットの発展によって、町に合った食の文化が失われました。コンピュータは、一部の企業が、世界の購買市場を管理しきっています。これらに共通することは、集中することにより、便利に、安く、公平にはなるのですが、個性のない、「均質化された心」を育てていると思います。

 次に、集中した力を持った産業は、世の中全体に情報を流して、均質化された人の心を煽るのです。中でも気になるのは、マスコミと一緒になって、子どもをターゲットにした消費産業が盛んになってきたことです。一時、女子大生と言っていたのですが、最近は女子高生市場が産業界の狙い目です。「二兆円産業」と言われる市場で、巧みな心理戦略をたてて、浸透しています。ルーズソックス、化粧品、バーバリーのマフラー、厚底靴、携帯電話など、もう止めどなく乗せられてしまっています。また、子どもの受験産業も、女子高生の乗りでファション化してきています。塾と私立学校は裏でつながっていて、両方で操られた子どもはお金儲けの対象になっているのです。塾に行くのが当たり前、問題集を買って自分でやっていると入試は通らないと、定着させてしまいました。子どもの進学が、産業の市場になったのです。

 銀行、学習、食べ物、ファション、コンピュータなどを例に挙げましたが、今は、消費者が選ぶのではなく、企業が消費者心理を煽って、商品管理の元で買わせる時代になってしまいました。企業は戦略なので、生き残りと、儲けるためには手段を選びません。集中管理とマスコミを使った心理煽動で、全ての人に、自分で考える心を失わせています。そして結果として、一番の犠牲者は、弱い子どもに、そして十代の若者に集中してきているのではないかと思います。今、流されない生活者として、母が踏み留まらないと、子どもは益々心を失います。

 

●人生のデザイン

 先日、たぬき先生と次のような話をしました。「教師の生き方もそれぞれ違うのではないだろうか。他の教師のやり方に対して、意見も言いたくなるが、自分の人生は自分がデザインするといいのではないか。」ということです。「日本の中で有名な先生になる、クラスの先生として子どもに好かれる、各教科の専門家になる等、これは、他の人がとやかく言うことではない。自分なりに生活をして、自分が一つの道を歩むといいのではないか。」と思いました。自分の生き方や考え方を押し広げて、他人の生き方までとやかく言うことは、あまりいらないのではないかと思います。意見は聞かれたら言うが、自分から言うことはあまり必要ないのでしょう。私たちはよく学校指導に行きますが、意見を聞かれたことに対してのみ、答えるようにしています。それ以外は、その学校の先生方が取り組んでいる良いところを誉めるだけです。先生方も、誉められて、自分で育っていくのです。

 

  今週の予定       下校  

26 月                             2:00

27 火 最後の弁当日   2:40

28 水                2;40

 1 木                                  2:00

 2 金                      2:40

 3 土                              11:50

 4 日 <休み>

 5 月                                2:00

●三月は、お弁当日はありません。すべて給食です。集会は、先週で終わっているので、集会の時間は、今週から教室で学習をします。