違いの中の信頼 平成12年1月31日(月)

 

 生き物の卵の産み方・育て方は、いろいろです。卵と精子を海中に放出して、ほりっ放しの魚がいますが、タコのように、オスが何も食べないで卵の世話もするものもいます。飛びながら卵を地上にふりまいていく蛾がいますが、1個ずつ食べ物(糞玉)を一生懸命準備して、その中に卵を産むスカラベもいます。カッコウは他の鳥の巣の中に卵を産み、育てさせるということです。卵を産んだら直ぐにオスが卵を集めないと、メスが卵を食べてしまう奇妙な習性の魚もいます。また、アザラシやセイウチはハレムを作り、一匹のオスに10~100頭のメスが従います。

 このように、生き物たちは、あらゆる方法で、子孫を増やし、子育てをしています。人間のものさしで見ると、「絶対に許せない」範疇にはいる方法も多いのですが、生き物はみんなそうして生きてきたのです。ツバメは、カッコウの子育てを非難したり、真似をしたりしません。スカラベは、空から卵をまく蛾に向かって、「あんたのやり方はなってない。非行蛾に育つよ。」なんて言いません。

 「絶対に許せないこと」というのは、この世にあるのでしょうか。人は、牛や豚を食べますし、魚を見たらおいしそうと思ってしまいます。豚骨スープはおいしいなんて、よく考えるとすごいことです。また、人間社会の中の極悪といわれる殺人にしても、戦争になると英雄になったりするのですから、「絶対に許せないこと」というのは、生物的にはもしかしたら無いのかもしれません。生き物の生き方には、あらゆる生き方があると思っていて丁度なのかもしれません。

 私たち教師が、絶対に許せないなどと言い出すと、違った個性、違った性質の子ども達が集まる学級運営はできなくなってしまいます。違うことを許せない、違うことはよくないと考えると、もう、40人相手の教育はとても難しくなります。さらに、その倍の親を相手に話ができないのです。私たちは、違いを認めるところから教育をはじめ、共育を目指していきたいと思っています。子どものそれぞれの幸せを目指すことが大切です。

 自分の尺度で、つい使ってしまう「絶対許せない」という言葉は、いじめの構造につながります。素敵な仲間の心がつぶれて、子ども社会がつぶれていくのです。私たちはいつも、違いのよさ、違いの中の信頼を、子どもに語っています。  (参考文献:「動物にとって社会とは何か」日高敏隆)

 

<れんらく>

  風邪がはやっています

1年星組は、本校で一番に学級閉鎖になってしまいました。インフルエンザが町の中を飛び回っているようです。手洗いやうがいを十分にして、予防をしてください。また、かかってしまったら、大事にいたらないように十分に休養してください。お茶でうがいをすると効果があると聞きましたが、本当でしょうか。

  2月9日(水)

 新1年生の選考のために、子ども達はお休みです。

  寒さに負けない

わが校の登校の服装は、冬でも半ズボン、スカートと決めています。制服ではないのですが、守るようにしてください。近くにある私学のT小学校の子は、半ズボンとスカートでいつも通っていますので、わが校でも頑張れると思います。

  低学年集会

 月組が発表します。「しょじょ寺のたぬきばやし」です。

 

<今週の予定>       下校

31 月          200 ④

 1 火          200 ⑤

 2 水          240 ⑥

 3 木          200 ⑦

 4 金 低学年集会    300 ⑧

 5 土          1150 ⑨

 6 日 <休み>

 7 月 育友会      200 ⑩