理科公開学習 2010.2.1(月)

 

 学習研究発表会では、4年生と3年生の公開学習を考えています。研究会の冊子には次のように、資料を書かせていただきました。

 

4年『水の姿の変化を調べよう』 <第一日目2月4日(木)> 

 4年生の子ども達の独自学習から、多くのことを教えられた2学期でした。

 空気鉄砲の学習では、既製品の空気鉄砲の前玉は、ポリウレタンでできているけれど、その玉を、ジャガイモ、サツマイモ、ダイコン、キュウリ、紙玉と変えながら実験してみることから、キュウリはヌルヌルしていてあまり飛ばないことの報告がありました。空気鉄砲の前玉が飛ぶにはある程度の摩擦が必要であることが分かりました。また、ゆっくりと後玉を押すと、空気が隙間から抜けていくので、押す早さも関係するようです。さらに、筒の太さによって、玉が飛び出す時の音が違っていくこと、強く飛んだとき煙のようなものが見えることなど、新たな追究の課題がたくさん見えてきました。

 水や空気の温度変化と体積変化についての実験でも学びました。フラスコにガラス管を取り付けて湯につける空気の膨張実験では、ガラス管の中のゼリーがすぐに飛んでしまいます。そのことから、水と比べて、空気の膨張の早さ、膨張の割合、熱の伝わる早さなどが、複雑に絡み合っている現象であることが考え出されました。

 また、金属球の熱膨張実験器では、温めた鉄球の表面の温度を放射温度計で測りながら実験を進めることで、80℃ぐらいになると輪を鉄球が通りにくくなり、90℃を超えると通らなくなることを発見していました。温度が上がると、より大きく膨張することに気づくことができました。

今回、「水の姿の変化を調べよう」では、温度によって水は三態変化すること、また、水の温度を上げると対流を起こすなど、子どもたちと一緒に実験の結果について考察していきます。特に、水は冷やしていくと、「4℃で一番重くなるという不思議な現象」を持っていることで、氷の体積が増えたり、氷が水に浮く現象が起きたりすることについて考えてみたいと思います。

 独自学習では、水は、自然の中でどのような変化をしているのかについて調べる学習を中心に、おうち実験を取り組ませようと考えています。しかし、火を使って温めたり、高温の水蒸気を扱ったりする実験は危険を伴い、独自に実験や観察がしにくいので、それらの実験は相互学習によって理科室で追究していくようにしたいと構想しています。

 家庭での独自学習やおうち実験は、親の関わりが強くあって、なかなか子どもが自律した個人の追究になりにくいのも現実です。しかし、理科室でない所で工夫した実験を個人的に立ち上げて、結果を出し考察していける力を持つことは、真の追究力の育成につながると考えています。

 

3年『LEDやモーターで回路を考えよう』<第2日目2月5日(金)>

 けいこ理科の学習では、「子どもたちの学習意欲を引き出し、自ら学びを創造する子どもを育てる」ことをめざしています。その学習過程の中で「論理的な思考力の育成」を、今回の研究テーマとしています。

 私たちは、電気の活用に囲まれて生活をしています。3年生の子どもたちが初めて乾電池に触れて電気について学ぶにしても、いろいろな知識や生活体験を持っています。そこで、そのような知識や体験を生かしながら「学習意欲・学びの創造・論理的思考力の育成」の研究テーマを達成する為には、

①広がりのある取り組みができる学習環境の中で、

②自由な活動が行われること、

③自らの発見を発表できる場の設定、

が大切だと考えます。今回の学習では、豆電球だけでなく、モーターやLEDなどを与えることにより、より興味をもって電気の学習に取り組み、広がりのある素材の操作活動から「論理的な思考力」を育てることができるのではないかと考えました。

 LEDを扱うことは、乾電池を2個使うことになるので、文科省のいうところの3年生の学習内容では問題はあるのですが、子どもの興味、見つけた問題点、それらの解決などを通して回路を考えるには有効と考えました。

 私たち理科の教師は、安全にステップを踏んで学びを進めるために、先に素材を与えないで、順次少しずつ素材を与えながら学習をしがちです。しかし、私たちが教材研究をするときは、まず多様な素材を集めて、ざっと使ってみながら違いや問題点を見つけて、学びを深めていくようにしているのではないでしょうか。同じように子どもにも、学びの地平線が広がるように素材を先に与えることで、探究的な学習が進められるのではないかと考えます。

 新しい学習の始まりは、まず独自学習からです。独自学習は一人でもいいのですが、今回のような物理領域では、操作がいくつか分担できるように2~3人のグループで独自学習を進めるのが適当であると考えます。独自学習の時、いろいろな素材を全部持たせて、子どもたちは興味のままに独自に実験に取り組むと、自分たちで多くのことを発見します。例えば、①乾電池の極、②乾電池の数、③豆電球の発光、④モーターの回る向き、⑤LEDの極性など、おそらく、独自学習では多様な発見がありすぎて整理がつかない状況が発生すると想像されます。その混沌を疑問として発表したり、互いに整理したりするのが相互学習の時間です。論理的思考力は、独自学習の段階で発見を整理して表に書いたり、また、相互学習の時に違いにおたずねをしながら、学びを構造化していく時に培われるのではないかと考えます。

  ☆   ☆   ☆

 研究会の学習では、子どもが頑張る姿、考える姿を見てもらいます。先生は、子どもの学びを支えるように、環境を作ったり、少しだけお助けをしたりします。 

 

 ■ お知らせ ■

<3年>

 電気の通り道の学習をします。豆電球、LED、モーターを乾電池につないで、電気の性質を調べます。また、電気の通る物、通らない物を調べます。

<4年>

 水を温めたとき、冷やしたときの学習を進めています。水を冷やしたとき、水はどのようになるのか、また、凍るとどうなるのかを調べていきます。

<5年>

 ミョウバンと食塩の結晶の作り方を考えます。学習は、ふりこの等時性について実験をします。

<6年>

 今週は学習研究発表会で、残念ですが学習はできません。次は地震と岩石の学習をします。

<科学G

 振り子の実験をしています。先週は、50,75,100,150cmの長さの周期を調べてグラフにしました。今週は、続きの25,200,300,400㎝のデータを取りましょう。どんなグラフになるのかな。