教養を高める 2010.1.18(月)

 

 新年の学習が一週間進みました。長い休みを経過すると、子どもはかなり成長しているように思われます。新たな気分で学習に向かっていこうとする気持ちで、学校に来ていることが感じられます。

 3年生の学習は、『重さ比べ』の続きからです。液体や粉体の重さ比べを年末にしていましたので、新年は固体の重さ比べからです。理科学習の始まりは、たまたまカードで指名された人が「めあて」を言います。

・僕は家で、キャベツやニンジンのしんの重さ比べをしました。ニンジンのしんの方が重かったです。それは、少し黒い重そうな所があるからです。同じような大きさにして比べました。

・干し柿を作った時、重さの変化を量っていきました。12/4242g 12/20118g   

1/763gでした。途中でもんだ柿はサツマイモみたいな味がしました。もんでいない柿は、柿の味がしました。どちらもおいしかったです。

・冷蔵庫の中のキャベツの重さを量りました。最初冷蔵庫へ入れる時と、3日後を比べると、重くなっていました。冷蔵庫の中でも育ったのかなあと思いました。

←僕は、それは水分が凍ったからだと思います。

←僕は、水分を含んで重くなったのだと思います。

 など、「めあて」のところで楽しい取り組みを語ってくれました。人と人が集まって進める相互学習は、言葉による表現が大切です。自分の思いや考えを発信することから学習が始まります。時間があれば、冬休みに取り組んだ多くの「おうち実験」が発表されることがフィールドノートから分かっていましたが、今日は固体の重さ比べの実験を進めることにしました。

 実験は、形や大きさが3通りある立体を使っての比較です。円柱には、銅、鉄、アルミニウム、塩化ビニル、ポリエチレンの5種の素材で、四角柱、直方体には、木、アルミニウム、塩化ビニル、ポリエチレンの4種の素材があります。重さ比べをするには、体積が同じでなくてはなりません。そこでキツネTは、「これらの形の名前を知っていますか。」と、無謀にも3年生に聞いてみました。そうすると、「円柱、角柱、直方体」と、言うではありませんか。そこでつい嬉しくなって、「では、これらの体積ってどうやって求めるか知っていますか。」とも聞いてみると、「円柱は底面積×高さ、直方体は、たて×よこ×高さ」と答えるではありませんか。「なんで、そんなこと知っているの。おそるべき3年生だね。」と感心していると、「自由研究でやったことがある」「自由研究の発表を聞いて覚えた」などと口々に言います。そこで、時間はあまりなかったのですが、それぞれ円柱、四角柱、直方体の3種類の立体の辺の長さを測定して、体積を求めました。円柱の底面積には、半径と円周率が必要です。「円周率は?」と聞くと、「3」と不安げに答える子どもがいて、さらに「3.1415926535・・」などと記憶している子もいます。理科学習は、本当に驚きの連続です。「京都銀行のコマーシャルでしている。」「あーあ。そう。」などの会話で、ついでに盛り上がりました。さて、本題の、形が3種類ある立体の重さ比べを、天秤を使って始めました。最初は、違う大きさの立体を両方のお皿に載せて比べていましたが、同じ大きさ同士で比べないといけない事に直ぐに気が付き、8班全て、三種類の形の違いを乗り越えて、①銅、②鉄、③アルミニウム、④塩化ビニル、⑤ポリエチレン、⑥木、と重さの順に並べることができました。体積による重さの違いではなくて、密度としての重さの違いであり、単位体積あたりの重さの違いを、上手に調べることができたのです。おそらく、次の独自学習では、物質の密度について調べてくる子どもがいるのではないかと、楽しみにしています。ちなみに、考察の場面では、銅より重い物質は、銀、金で、さらに白金と知っている子どももいて、これには参ってしまいました。塾で先に習うというよりも、幅の広い教養が、学習への興味を高めるということが感じられます。

 4年生の学習は、『熱の伝わり方』から始めました。12月の最終の学習は、金属球を熱して調べる、固体の熱膨張について実験していましたので、今日は固体の熱の伝わり方に取り組むことにしました。3年生と同じように金属の種類を扱うことになりました。

 4年生は、熱の伝わる物質、伝わりにくい物質について、「めあて」では次のような発表がありました。

・フライパンは鉄なので、熱伝導が関係して、上の物を焼くと思います。

・フライパンの取っ手が、木やプラスチックでできているのは、やけどをしないためです。

・電気ざぶとんは、温まるのに時間がかかるので、熱が毛布になかなか伝わってこないからだと思います。

・フライパンのカーブをしているところを触って、やけどをしたことがあります。すごく熱かった。

・金属は熱が伝わりやすくて、コンクリートや鏡は熱が伝わりにくいと思う。

・金属の熱の伝わりやすさは、①銀、②銅、③金、④アルミニウム、⑤鉄と、参考書に書いてあるのを見つけた。

・金属のコップに紅茶を入れたらだんだんぬくもりが伝わってきて熱くなった。

・お鍋のふたの所はプラスチックでできている。

・ヤカンの取っ手は熱くないようにプラスチックでできている。

 等など、めあてから相互学習へとつながります。生活から学習を立ち上げることのできる力を身につけています。

 実験は、銅、鉄、アルミニウムの金属棒の熱伝導を調べました。①銅、②アルミニウム、③鉄の結果でした。

 実験後の「考察」では、金属によって熱が伝わる早さの違いがあるのはなぜか?について考えました。

・金属の粒の大きさが違うので伝わり方が違う。

・金属の中の隙間の形が違うからだと思う。

・虫眼鏡で色紙を燃やした時のように色の違いで熱の吸収が違う。

・熱は、波のようなものが伝わっていくと思う。

・大きさの違う隙間を熱い空気が伝わると思う。

 と、いろいろな考察が出されてきました。子どもはミニ科学者だと感じます。

 

■ お知らせ ■

<3年>

 形を変えたとき重さはどう変化するのか、水に浮かべるとどうなるのか、実験を通して確かめます。

<4年>

 固体の熱の伝わり方の次は、液体、気体の熱の伝わり方について実験を進めましょう。

<5年>

 ものの溶け方の学習をします。先週、途中で終えた、50mL、100mLの水に溶ける食塩、ミョウバンの量を測定して、飽和水溶液について考えます。

<6年>

 地質年代について、化石の観察も合わせて、年表を作ります。プレカンブリア代、カンブリア代、古生代、中生代、新生代、化石を持っている人は、持ってきてください。

<科学G

 てこの釣り合いの実験をします。実験てこを使って、モーメントの規則性を見つけましょう。