学級力 2009.12.7(月)

 

 5年生は、物の溶け方の学習に入りました。「こぎつねノート」で事前に連絡はしてありましたが、唐突な次の学習単元の始まりです。

 理科係が、「今日から『物の溶け方』の学習に入ります。学習のめあてを言ってもらいます。」と、理科室に到着した瞬間に、数名が指名されます。しかし、さすがに5年生です。一瞬戸惑いながらも、「えーー、物の溶け方ですね。私は家で、食塩を溶かしたことがあって、食塩が溶けるとき、白いすじがでるので、そのすじがなぜできるか考えてみたいと思います。」と一人目が話します。まるで教科書の最初の実験を先取りして家で取り組んでいるようです。次の人は、「僕は、物が溶けた後の重さについて考えたいと重います。僕は、溶けても重さは変わらないと考えています。」と言います。教科書を見ながら言っているわけでもないのですが、大切な実験を提案してくれます。たまたま、名前カードで二番目に貼ってあった人の発言なのに、本当に驚きです。次も、名前カードでたまたま貼ってある3人目です。「私は食塩以外の、どの物質が溶けやすいのか調べたいです。」と、教科書でも大切に扱っている内容が、次々に出されてきます。さらに、4人目は、「砂糖と食塩、どちらが早く溶けるか。溶ける早さを調べたいです。」と言います。驚くべき5年星組です。理科学習では、活発な子ども達だけで学習が進まないように、学習の始まりは名前カードを貼った児童が発言するようにしているのですが、どの子も本当に素晴らしい提案をしてくれます。「さて、ここからは相互学習の時間です。発表したい人いますか。」と、全体に発表の機会を与えると一斉に多くの人が手を挙げます。本当に、今日は新しい単元の学習なのかと目を疑うばかりです。

・ココアやコーヒーの溶け方を、温度を変えて調べてみたいです。

・濾過というのを本で読んだことがあります。水溶液中の結晶を取り除くことです。実際にやってみたいです。

・炭酸のジュースには、何が溶けているのか知りたいです。また、熱いお茶が入っている缶を開けた時も、炭酸のようにプシューと音がするのはなぜか知りたいです。

・温かい方が早く溶けると思うので、熱い湯に氷を一個、二個と入れていき、その時の砂糖が溶ける早さを調べたい。

・砂糖を熱すると、液体になって、さらに熱すると焦げました。これも溶けると言うことなのか知りたい。

・紅茶に砂糖を入れると底にたまっていました。水の量によって、溶ける量が決まっていると思います。

・溶けた砂糖は、どこにいってしまったのか、知りたいです。

・僕は家でやったことを言います。湯に食塩を溶かして、割り箸から糸をたらしておくと結晶ができると思いました。日陰に置いたので失敗しました。

・食塩の結晶は立方体をしていると写真で見ました。他の結晶の形も調べてみたいです。

・何グラムの水に、食塩が何グラム溶けるのか、溶ける量の調べ方を知りたいです。

 以上、次々と途切れることなく相互学習が続きます。予習として教科書を読んできているのか、また、塾で習っているのかとも思いますが、新しい単元に急に入った時に、これだけの意見が出るのは本当に素晴らしい子どもたちです。一方、意見をよく見直すと、友だちの意見に触発されて、自分の体験を語っている子どもの意見が案外多いこと、また、間違った意見もかなりあることから、今日の学習が始まるに当たり、自分の体験や記憶をフルに活用して意見を述べて、自分たちで学習を立ち上げていこうとする意欲が感じられます。素晴らしい学級です。

 次に「実験」です。先ほど子どもが言った、お茶パックに入れた食塩が溶ける様子を観察することにしました。観察した後、子どもたちは、さらに次々と観察の「結果」を発表します。

・もやもやしたものが下に落ちていき周りに広がっています。

・もやもやしたものは、溶けきれていない食塩だと思います。下にたまっていくと思います。

・シャボン玉の液みたいにどろどろしていて、下に真っ直ぐ落ちていきます。

・水は冷たいのに、どんどん溶けていきました。

・ひげの形のように広がった。40秒ぐらいするとスピードがゆっくりになった。

・お茶の袋の折れた所から吹き出しているように見えた。

・下に落ちて、それから全体に広がっている。

・僕は、ねとねとしていて、底に徐々にたまると思う。

・水糊みたい。最初から広がりながら落ちています。

・1秒ぐらいしたら、すぐにもやもやした物が出てきた。

 と、観察したことを詳しく表現していきます。子ども達の素直な感性で捉えられた、素晴らしい表現です。これらの結果から、今日の観察の「考察」を発表します。

・もやもやは水溶液だと思います。

・もやもやは、最初は下に落ちるけど、最後は全体に広がることが分かりました。

・もやもやの白い筋は、袋に開いている小さな穴から食塩の水溶液が落ちる模様と思います。

・食塩は、水が冷たいのによく溶けました。

 考察に続いて「学習のふりかえり」の発表です。

・水が冷たかったが、食塩はすぐに溶けることが分かった。

・私は穴から水溶液が出てきたから筋ができるわけではない気がします。詳しく調べたいです。

・もやもやは、液体なのか、調べてみたい。

・食塩は、下に一度たまってから、全体に広がっていったことが分かりました。

 以上、新しい学習単元の最初の1時間目の学習で、途中で簡単な実験をして、さらに、全員が発表するという学習を進めてくれる学級です。以上に示した発言の記録のように、食塩の溶け方をこれだけたくさんの人の、豊かな言葉で表現した学習は初めてでした。今後、ミョウバンと食塩の溶け方を調べて行くのですが、その学習の方向性も、すでに学習のめあて、そして、その後の相互学習で提案されています。どんな学習になっていくのか、わくわくします。

 

■ お知らせ ■

<3年>

 物の重さ比べの学習をします。キッチンの秤を持ってきてください。今週は、体重計を使って学習を進めます。

<4年>

 月と星の観察記録をまとめます。家に記録がある人は、学校に持ってきてください。月と星の動きの違い、似ている所を考えます。

<5年>

 ものの溶け方の学習に入ります。食塩、ミョウバン、ホウ酸、砂糖など、水への溶解についていろいろな取り組みを進めます。学級閉鎖で来週ですね。

<6年>

 発熱の学習に入ります。電熱線の発熱を調べます。きつねTも、初めて取り組む学習です。楽しみです。

<科学G

 学校周辺の自然観察に出かけます。デジカメを持ってこれる人は、持参してください。地衣類の研究をしましょう。また、金曜日のグループでは、ゆず茶を作って飲みたいと思います。