日食 2009.7.13(月)
1.日食の見方
久しぶりに、日食が日本で見られます。今回は、夏のプール水泳のある7月22日です。プール水泳に来た子ども達には、遮光板を使って、細くなっていく太陽を、時々見てもらおうと考えています。
太陽を見る場合の安全性について、文部科学省より通達が来ています。次のような遮光板以外のものを使って太陽を見てはいけないことが伝えられています。例えば、①黒いビニル袋、②ファッション用のサングラス、③下敷き、④ろうそくの煤で黒くしたガラス、⑤現像したフイルムの黒い部分、などです。これらは、通過する赤外線や紫外線が許容量以上の場合がありますので、安全規格検査がなされている道具を使って太陽を見るようにしてください。
学校には、40個ほどの太陽観察用の遮光板を準備しています。しかし、大勢の子ども達がプール水泳に来ているので、遮光板を交代しながら観察をします。家に太陽観測用の遮光板を持っている人は、持参してくれると助かります。
2.日食のしくみ
日食は、皆さんもご存知のように、太陽の前を月(新月)が通過する時に起こります。太陽と月の見える大きさがほぼ同じ大きさです。月が太陽の前にすっぽりと入ると太陽の光球の部分を隠してしまい、皆既日食になります。今回の場合は、屋久島からトカラ列島周辺の島々で皆既日食が見られます。奈良は、皆既日食が見られる区域から外れていて、部分日食となります。三日月のような形に、太陽が細くなります。
皆既日食は、太陽の明るい部分が完全に隠されるので、太陽の周りに広がるコロナや紅炎などが見られます。また、空が暗くなり、昼間なのに明るい星も見えるようです。皆既日食観測ツアーに行かれる人は、ぜひ皆既日食に近くなる頃の生物(鳥やカエル)の行動なども観察してください。
3.奈良の部分日食
奈良では、
欠け始め:9時47分
最大: 11時 5分
回復: 12時25分
最大食は0.8です。おおよそ、三日月のような形に近くなります。
ここで三日月のような形と書きましたが、実は、「月の形」と「日食の時の太陽の形」は、似ているようで違うのです。どのように違っているのかは、自分で調べてほしいと思います。
4.日食の記録のしかた
日食は、アマチュアの我々が写真を撮るのは、かなり難しいと思います。まず、望遠鏡、双眼鏡を使って観測するのは、その危険性をよく知っている人としてください。子どもは、望遠鏡や双眼鏡を絶対覗いていけないと言っていても、ちょっとしたすき間にのぞいてしまいます。のぞいた瞬間、目が焼けてしまいますので、双眼鏡、望遠鏡を使った観測は、しないようにしましょう。
ピンホールカメラの仕組みで、小さな穴を通り抜けた光は、小さな太陽の像を作ります。木漏れ日も、太陽の像です。日頃は丸い形をしていますが、今回の日食の時は、三日月形の木漏れ日が見られます。紙に小さな穴を空けて太陽の像を作ると、三日月形の太陽の写真を撮影できます。学校のケヤキには、木漏れ日がたくさん見られます。
インターネットや新聞にも、皆既日食の写真が出ると思います。フィールドノートに自分の観測やいろいろな情報から、日食のまとめを書きましょう。
<LED工作について>
先週のお便りで夏休みには、できればLED工作をしてみてくださいなどと、書いてしまいました。どこで売っているのか、どのようにするのかなどが全く分からないと思いますので、少し説明をしようと思います。まず、LED関係の部品は、いつも大阪の日本橋通りにあるシリコンハウスというお店に買いに行きます。少し電気おたくの人たちが出入りするような店なので、部品選びも大変です。
私は、次の部品を買ってLED工作をします。
・LEDは、2V(ボルト)20mAで、赤、黄、緑などが一個10円~15円程度であります。青、白もあるのですが、少し値段が上がります。例えば赤の100個入りを買うと800円ぐらいです。
・QIコネクタ2ピンは、一個15円程度で、100個で1260円です。これに、LEDをさして使います。
・QIコネクタに差し込んで使うコードは1本25円です。2本をコネクタに差し込んで使います。
シリコンハウスなど、プロのお店でLEDを買うとき、乾電池で使うというと、必ず抵抗を入れて、電流量を落として使ってくださいと指導されますが、マンガン乾電池2個直列で使うと、規格以上の電流は流れるのですが、直ぐに壊れてしまうことはありません。私は、これまで抵抗を入れないで、マンガン乾電池2個で使ってきています。
マンガン乾電池2個で、LEDはいくつ点灯することができるか調べました。前回子ども達と調べた結果は、50個ぐらいでも、十分に明るく点灯しました。とても省エネ電灯であることがわかります。
工作は、その点灯したLEDを星座の絵の中に埋め込んだり、蛍の尻尾にしたり、家の明かり、信号機などにしている子どもがいました。新たな工作があると、いいなあと思います。また、QIコネクタを使わないで、直接、LEDにコードを巻きつけて点灯させている人もいました。いろんな使い方ができます。
LEDに使うそれぞれの部品は次のようです。まず、LEDは、足の長さの長いほうが+で、短い方が-です。次のQIコネクタは、コードを差し込んで使います。コードの片側には、金具がついていて、QIコネクタに差し込むと抜けないようになっています。コードは、導線部分が少ししか出ていないので、長く出して使います。
■ お知らせ ■
<3・4年生>
夏休み開けには、3、4年生は、フィールドノートから一つテーマを選んで、理科の時間内に「一枚レポート」を書きます。48日間もある休み中には、いろいろな体験をされると思いますので、自然体験・科学体験をフィールドノートに記録しておくようにしましょう。9月最初の学習時間の2時間で、子どもの力で書かせます。熱心な保護者の中には、下書きを持たす場合がありますが、それでは自分でレポートを書く力がつきません。豊かな自然体験、そして自然記録をさせておくことに力をかけてください。お願いします。
<5・6年>
夏休み明けに、貝の標本を使って、一枚レポートを書きます。貝の標本を数値的な処理をして、グラフ化して考察をするようにします。標本のない人は困りますので、白浜ではたくさん貝を拾い、また、標本を作る時には、貝の生息地、深さ、分布などのデータを調べておきましょう。