温度の測定 2009.6.8(月)

 

<3年生>

 3年生は、棒温度計を使って、気温や水温や地温の測定を進めています。温度の測定は、簡単なようで、やってみると誤差が多くて、難しいものです。できるだけ正確に測定するにはどうすればよいか、また、割れやすいガラス製の温度計の取り扱いをどのようにすればよいのか、体験を通して学習します。

 気温の測定は、太陽の光に温度計が直接当たらないようにして測定します。日陰の気温は、風通しのよい所で、1分間ほどその場所の空気の温度になるように温度計を持ち続けて測定します。日向の温度は、長い間日向になっているような場所に出て、自分の影の中に温度計を入れて、1分間ほどその場所の空気の温度になるようにして測定します。

 地温の測定も難しく、地面の温度か、地面の少し中の地中の温度かで、全く違ってきます。空気の温度は、地面の温度が上がることによって温められるので、私達は、地面の表面の温度を測定しようと思います。よって、地面の温度の測定は、日陰の場合は、そのまま地面の上に温度計を暫く置いて測定します。日向の場合は、地面の上に温度計を置いて、温度計の上に太陽の光が直接当たらないようにおおいをして、1分間ほど置いて測定します。光が当たる状態で測定すると、光が温度計を温めた温度になります。

 ベランダなどのコンクリート表面の測定も、同じようにコンクリートの上に温度計を置いて、光が当たらないようにおおいをして、1分間後の温度の測定をします。

 水温の測定は、棒温度計の三分の一程度、水の中に入れるようにして測定します。先だけの場合と、三分の一ほど入れて測定した場合では、温度が違ってきます。

 なぜこのように詳しく説明しているかというと、家でもいろいろな場所の温度の測定をしてほしいからです。温度の測定は、理科実験、社会現象、自然観察などの基本的な活動の一つなので、しっかり身につけていくことが大切です。理科や社会科に関して、今後、自由研究をしていく上で、環境、状況を捉える大切な観点になります。

 真夏になると、日向に置かれた車のボディーの表面がとても高い温度になっていることがあります。いったい何度ぐらいになっているか調べてみると、黒い車では80度ぐらいに達しています。白い車は60度ぐらいでした。そこで、自由研究で色によって温まり方が違うのかを調べた人がいました。いろいろな方法があります。色水を作って日向に置いて比べる、黒い服と白い服、黒い帽子と白い帽子の中の温度を比べるなどの実験をしていました。

 また、家の中のいろんな場所の温度を測定してみると、かなり違っていることも分かります。そのことから、今のようにエアコンの発達していない昔の人が、暑い夏をどのように過ごしていたのかを調べている人もいました。打ち水をする、すだれをかける、風通しを考える、生活をする部屋を移動するなど、温度調べから発展していきました。

 他にも、人はどれくらいの気温が一番快適なのかを、温度計を持ち歩いて、デパート、電車の中、銀行などのいろいろな場所で調べた人もいました。

 このように、温度計一つあると、自然、町、住居、健康などの状況を考える素晴らしい視点になることが分かってもらえたと思います。

 昨年の3年生は、温度計を学級費で購入して配布しました。しかし、何人もの子どもがすぐに割ってしまったので、今年は、各家庭で棒温度計を買ってもらうようにしようと考えています。この時、デジタル形式のものでなくて、棒温度計(-20100度計)をご購入ください。直ぐに割れてしまわないような、周囲がプラスチックなどでガードされたものもあります。気温測定用の寒暖計は、100度まで測定できないものが多いので、いろいろな温度を測定するのに適していません。

 次に、温度を測定したら、どのようにその結果を表現したらよいかを考えてください。3年生は、算数でまだグラフを習っていませんが、棒グラフや折れ線グラフを活用して書いていくと、考察をするとき分かりやすいと思います。ぜひ、フィールドノートの独自学習、また、学級で発表する自由研究の一つの武器として活用していくようにしましょう。

 

<4年生>

 4年生は、熱伝導、熱膨張、三態変化の学習をします。また、気温(季節)と植物、動物の変化についても学習を進めています。温度と生物、温度と物質の関係を見ていくのが4年生の学習です。ここでも温度の測定が基本になっています。

 理科の学習ノートには、常に一行目に日付とその日の天気と気温を書いています。それは、一年間学習を終えたとき、学習ノートを調べると、一年間の気温変化のグラフを書くことができるからです。天気を合わせて書いているのは、折れ線グラフの変化が滑らかではなくて、小さく上下するのは天気に関係があるからです。皆さんが家でフィールドノートに観察を書くときも、その日の天気と気温を記録しておくことが大切です。植物の成長、開花、結実など、また、動物のくらしも、全て、日差し、気温に支配されて生きているからです。

 

<5年生>

 5年生は、天気の変化の観測をします。この時、雲の種類やでき方と、気温との関係を考えます。そのためには、日々の気温や湿度の観測が大切になってきます。3年生や4年生と違って、自然の中の大きな現象を、気温や湿度を手がかりに、考察していきます。温度計を武器に、すごい学習に発展していきます。

 

<6年生>

 6年生は、気温を軸にして、世界の環境について考えます。行ったことのない国や自然の環境問題を、これまでの学習の経験をもとに考察していきます。温暖化、砂漠化、エネルギー問題など、温度を中心に、生物、大気、海洋、物質循環の仕組みが見えてきます。

 

 ■ お知らせ ■

<3年>

 ヒマワリの観察と、太陽の動きを観察する道具作りをします。太陽の動きについての資料を持ってきてください。

<4年>

 「骨と筋肉」の学習の、最終の時間とします。人体全身の骨格の発表と、そこから分かることを考えます。筋肉との関係も考えます。

<5年>

 植物の成長条件の実験結果を観察して、考察をします。また、プランクトンの観察の二回目をします。プランクトンの図鑑を持ってきてください。

<6年>

 晴れていれば、植物の光合成の実験をします。曇っていれば人体の働きの学習に入ります。

<科学グループ>

 実験をしていきます。今週は、気体の実験をしていきます。

<大学>

 3年の「磁石」と「豆電球」の二つの単元の、模擬授業を行います。