気を高める 2009.5.11(月)
1.朝の会
私は今、担任をしていないので朝の会ができません。しかし、専科の教諭になってからも、県や市レベルの理科研究発表校の指導、校内の研修、理科授業について指導を頼まれた時、まず、朝の会をきちんとして欲しいと最初に伝えます。理科学習の内容や方法以前に、朝の会は、教育活動の一番の基本で大切な活動だと考えているからです。
かつて学級指導に悩んでいる若い先生に、「だまされたと思って、国語や算数指導に躍起になる以前に、朝の会をきちんとしてごらん」と伝えました。暫くして若い先生から、「朝の会を始めて、学級が一気に変わりました。子どもの顔が上がってきて、活気のある学級になってきました。」と連絡がありました。
全国レベルの理科研究発表校における最初の指導も、「朝の会をして欲しい」、そして次に「子どもの机に辞書、参考書を常に置かせて欲しい」でした。しばらくして「朝の会を学校中の全クラスで進めると、地域との関係が一気に変化してきて、親が教育に積極的になってきました。」と、研修主任の先生が伝えてくれました。
朝の会は、私は「元気調べ」と言っています。一人ひとり名前を呼んで、子どもは返事をします。「はい、私は元気です。今日の朝の掃除の時、ヤモリを見つけました。」「はい、僕は元気です。きのう家でタケノコを食べました。おいしかったです。」「はい、私は少し風邪気味です。日曜日に、家族で昆虫館に行ってチョウが飛んでいるのを見ました。」などと、ひと言のお伝えをします。
低学年は、少し一時間目の学習に入り込んでも、とても大切な時間なので、できる限り全員に発表させます。高学年で専科の学習があるときは、遅れては迷惑になるので、時刻を限ってぎりぎりまでします。
朝の会は、先生と子どもの生活をつなぐ大切な心の窓です。また、子どもの健康、子どもの問題を見つめる健康調べです。一人か二人の子どもの日記を発表させて、それについて一部の子どもがおたずねをするような朝の会はよくありません。また、日直の2人が代表でお話をして、それにおたずねをするのもよくありません。全員が一言、何かをお話しようと準備をして、一人ひとりのお伝えを、学級の中に短く語ることが大切なのです。1分間スピーチや日記発表と、全員の朝の元気調べとは、全く違っていると言えます。
毎朝、朝の会をきちんとしている学級は、本当に全員が生き生きしています。どの子も大切にされています。学習に意欲を持ってかかわってきます。親も協力的です。なぜなら、毎朝全員の一人ひとりの子どもの顔を見て名前を呼んで、目を合わせてお話を聞き、みんなで微笑み合い、うなづき合うからです。朝の微笑み合いの時間、気持ちを集める時間ともいえます。
今の私は、理科専科なので、子ども達と朝の会のつながりを持つことができません。ともて苦しい学習がしいられます。また、朝の会の不十分な学級の子ども達相手の学習は、さらに困った状況の理科学習になります。子どもの気が拡散していたり、落ち込んでいたりします。元気、雰囲気、気力が、学習に集中してこないのです。気持ちが入ってこないのです。朝の会で「気」をしっかり集めてほしいものです。
嘆いていても仕方がないので、専科の学習でも気をつけていることがあります。それは、できるだけ全員の子どもに話をさせて、子どもの顔を見ながら気の共有をしていくのがよいのではと考えています。名前カードを使って、理科学習の時間内に、全員に発表してもらうようにして、子どもの顔を見ながら気の交流を図ることを大切にしています。
2.遠足、野外学習
どんな活動でも、また低学年でも、我が校は、子どもが進める学習を大切にしています。そのため、遠足、野外学習では、できるだけ、子どもの進行役割分担で行うようにすることが大切なのです。
まず、活動全体の責任者二人を決めます。生活班の長や係の長、学習班の長をまとめる全責任者です。この二人が、全ての活動がスムーズに進めるように、気を配る人とします。
次に、生活の係と学習班の長を決めます。生活班は子ども達が動きやすい5人~6人ぐらいが適当です。40人の学級では、8班できます。その班の5人の中で、班長、乗り物係、食事係、健康係、時計係など、ひとり一役の係を決めます。学級では、班長8人、乗り物係8人、・・・などが決まってきます。それぞれの係ごとに集まり、係の長を決め、その係の計画を立てます。班長以外に4つの係があるので、各係に長と副長を決めると8人が係長になります。
また、現地で学習をする時、学習ごとのテーマに分かれて活動をします。これは、生活班とは別の、テーマごとの現地班を組みます。例えば山の中の自然探検なら、昆虫班、植物班、森林班、岩石班、川の生き物班、地形班など、いろんなテーマで班を組みます。一つの学習班を5人前後とすると、8班程度ができます。ここにも学習班長が8人必要です。
40人の学級で、全体責任者2人、班長8人、係長8人、学習班長8人となれば、26人もの人が、何らかの責任者をすることになります。このように校外学習の活動がうまく進められるように責任を分担すると、学級が育ちます。さらにいろいろな行事や遠足をこの役割分担方法で何度か進めると、次々に新たな子どもが班長や係長や学習班長になることができます。子どもが育ち、学級が育ち、子どもが生き生きしてきます。我が校の「なかよし」の学習です。
先生が先頭を歩き、いかにも、いい先生のように児童に注意をしながら進める遠足や野外活動では、子どもは育ちません。めあて、ふりかえり、生活、学習を子どもの力で進めることが、とても大切なことです。
■ お知らせ ■
<3年>
押し花の提出をしてください。学習では、チョウの幼虫の観察と、種まきをします。
<4年>
月曜日は春の自然レポートの仕上げをします。木、金曜日の学習では、ツバメレポートを書きます。それぞれ、資料や記録を忘れないようにしてください。
<5年>
種の発芽の条件について学習を始めます。並行して、メダカの飼育、川の学習のまとめをしていきます。忙しいですが、整理しながら進めましょう。
<6年>
燃焼と空気の成分の変化、酸素、二酸化炭素の働きについて実験を通して学習を進めます。
<科学グループ>
今週はありません。本年度第一回目の集会が始まります。
<大学>
春の自然観察②、木の観察をします。あわせて、図鑑、辞書、参考書の使い方についてお話します。