「なかよし」の学習 2009.2.2(月)
1.新入学の期待
我が校は、「しごと」、「けいこ」、「なかよし」の領域を設定し学習を進めています。
新入生の保護者は、教育方針説明会を聞いて、我が校に進学希望されます。多くの方々が、我が校の教育システムに期待を持って入学検査・面接に臨んでくださいました。責任ある学校創りを目指していかなければならないと、痛感しているところです。
また、附属幼稚園の入園検査にも立会い、そこでは、9年間一貫教育に魅力を感じて入園希望される保護者の方々が多くおられるのを知りました。本年度からスタートしたこの初等教育学校構想を、他の学校にはない、我が校らしい初等教育の構築に向けて、大きく歩み進めなければならないと感じました。
入園、入学の時の我が校への期待と、卒業するときの子どもの成長が、同じ方向であること、また、それ以上の我が校の教育のよさを体得されて卒業されることを願い、教育のあり方を常に問い続けなければいけないと思っています。教師の同僚性が発揮され、子どもにとって素敵な教育のある学校にしていきたいと思います。
2.学校の見方
本年も、北海道から沖縄まで、いろいろな小学校の先生、そして、大学の研究者が、我が校の教育を見に来ています。文部科学省の教科調査官や視学官も、こぎつね小学校の教育には、興味を持って見て下さっています。
見学に来られた先生方に、どこが他の学校と違っているのか、何が素晴らしいのかを問うと、「先生が子どもを教えているのではなくて、子ども同士の学び合いで学習が深められている」というお返事が返ってきます。
「教える」ことと、「学ばせる」ことの違いは、実に大きな違いです。その違いを、見学や研究に来られた先生方が感じられるような学習の進め方を、どの学級でも取り組んでいるのが、我が校なのです。
我が校への進学を希望されない幼稚園の保護者の意見の中には、「附属小学校は基礎基本を教えない学校だ」と言ううわさで、進学されない方もおられると聞きます。本当は、「教える」こと以上に難しい「学ばせるための学習法の研究」に取り組んでいるのです。それを取り違えて、「教師が何も教えない学校だ」と短絡的に考えられているのだと思います。
また、私達の先輩の先生方の説明の仕方も良くない部分がありました。新一年生の入学説明会の冒頭で「我が校は、進学のための教育はしません。通知簿はありません。教科書は順序通り教えません。」と、幼稚園から希望に燃えて「さあ小学校では、どんな教育をしてくれるのだろう」とわくわくしている保護者に向かって言ってきました。不安になられたり、不信感を持ったりされてきたのは仕方のない状況だったのです。
保護者の方の多くは、そして、見学に来られる先生方の多くは、「教える教育」の中で育った方々です。その方々に「学ぶ教育」の意味を提案しているのが、我が校の教育です。「学ぶ教育」を説明するのは、本当に難しいことですが、私達はずっと、提案し続けていきたいと考えています。
3.学ぶ子ども
企業や商売をされている保護者の方なら、「自ら学ぶ力を持った若者」がどれだけ素晴らしいか、理解できると思います。「教えてくれるのを待っている若者、マニュアル通りしかできない若者、処理する仕事しかできない若者」で、日々困っておられるのではないでしょうか。特に最近では、塾に行く子どもがとても多くて、「効率よく教える」「自分で考えるより、解法をマスターする」ような教育にどっぷり浸かってしまっています。我が校でも、5年生後半から、6年生になってくると、塾にいる時間が長くなり、「学ぶ子ども」から「教育される子ども」に変身してしまう子どもが何割かでてきます。
では、学校は、この状況を仕方ないと手をこまねいているのか、また、塾と対立して真っ向勝負をするかということになるのですが、どちらの選択も良くないと考えます。
この「自ら学ぶ子どもの育成」は、私達は、低学年から全領域で徹底して進めています。しごと、けいこ、なかよしの全領域で、自律した学習がなされていると、子どもは一時期に詰め込み教育になった時でも自分を見失うことなく、乗り越えていくと信じています。
4.自律した「なかよし」
最近の私達は、どうも「しごと」や「けいこ」に集中して、自律した「なかよし」の取り組みが弱いように思います。研究発表会の学習公開も、研究領域を中心に進めています。本当は、研究領域以外でも、全ての学習や活動に自律した子どもを育てる必要があります。
「自律した学びを創る子ども(高学年の姿)」とはどうあればよいか、私は次のように考えます。
①朝の掃除が子ども達の組織できちんと出来ていること、
②先生がいない自習の時、どの領域の学習でも子ども達だけで先生がいる時と同じように学習が進められていること、
③先生が所用で学習時間に遅れて教室に入っても自分達で学習を始めていること、
④いろいろな学校や学年の係活動のリーダーに自分から進んで立候補すること、
⑤学習中の議論を楽しめる子どもであること、
⑥学年行事は、運営委員の企画で、開会式から閉会式まで運営され、練習計画、会場準備が、自分達で進められること、
⑦学級の掲示物や展覧会を、組織的に運営し、掲示板を自分達の学習や作品の発表の場として考え、常時張り替えていくことが出来ること、
⑧野外調査、地域調査などでは、事前調査からみんなで行く調査、そしてお世話になった方々への礼状作りなど、子どもが運営できること、
⑨先生が見守る中で、子ども達は自分達で遠足を進めること、
⑩週の学習計画・時間割を、子どもが話し合って決めていくこと、
等、本当に自律した「なかよし」の学習力が育つ学級・学校にしていきたいものです。
■ お知らせ ■
<3年>
・学校の体重計を使って、学習をします。キッチン秤、もうしばらく持たせてください。
<4年>
・ものの温まり方の学習です。固体の温まり方の次は、水、空気など、移動する物質の温まり方です。
<5年>
・強い電磁石、電磁石の仕組みについて学習を進めます。エナメル線と乾電池を配布しましたので、活用してください。
<6年>
・環境旅行記を書きあげた人から、電磁石のしくみを使ったロボット作りに入っていきます。春にしました電磁石の学習の復習をしながら、ロボットを作ります。
・研究発表会が終わった2月末の週にノートを綴じます。3年からのノートを探し出し準備してください。
<科学G>
・集会発表時に取り組んだ巨大シャボン玉を、みんなで作ってみます。