子どもの生活の中の重さ 2009.1.26(月)

 

 「『物の重さくらべ』についてこれから学習をしていきます。どんな学習をしていきたいですか。」と、「学習のめあて」を問いかけました。子ども達はなかなか自分の問題としての学習の方向性を思いつきません。

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1.物の重さはどう変わってくるのか調べよう。

2.物と物でどれぐらいのちがいがあるのか考えよう。

3.同じ大きさでも、中身がちがうと重さがちがうからよく考えよう。小さいけど重い物には、じしゃくがあると思います。

4.物の重さは、道具や手などをつかって、かるい物かおもい物かをしらべて、同じ大きさの物でも見くらべて調べて、なにが一番おもいかをノートにかこう。

5.水の中に入れるとしずむ物とうかぶ物がある。

6.大きくて高かったら重たく、ひくく小さかったら軽いです。

7.鉄、きんぞくはしずみ、プラスチック、木は浮きます。

 

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 最初、子ども達は、このようなめあてを持ちました。内容的には、とても素晴らしく、取り組むべき視点が全て出揃っています。新学習指導要領の内容なので、今はまだ教科書もなく、事前に学習ができていない内容で、これだけ素敵な視点が出せるとは、思ってもいませんでした。

 しかし、私にとっては、少し不満足でした。それは、子ども達が、あまりに理科実験的に的確すぎて、生活の中の重さの視点が、感じられないからです。これでは、全て理科室で学習を進めなくてはいけません。家で、独自学習ができる具体性がありません。

 そこで、もう少し生活に根ざしたところで考えてもらうことにしました。

 「生活の中で『重さ』を使う場面はどこですか」と、問いかけました。最初、なかなか思いつかないようで、困っています。一人ひとり話し始めることで、自分達の生活の中で、重さについて活用している場面が広がっていきました。

 

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8.ぼくは家でパンを作るときに、パンをまるくして箱の中に入れる前に、パンの重さをはかって入れている。のこったぶんをちょっとずつ、重さをしんちょうにはかって、一個たぶん150gだと思う。

9.野球のボールを買う時、軽い野球のボールを買います。その軽いボールの入っている袋にgが書いてあるものがたまにあります。僕はこのgを見て、もっとも軽いボールを選んで買います。水に物を入れると、軽い物はうき、重い物はしずみます。それは、なぜかはわかりません。でも、ゴムの軽いボールは、ゴムがあるからうきます。

10.僕の家では、おふろに入った後にあせをかいている時は、少し重くなるけれど、あせをかいていない時は少し軽くなりました。朝と夜との体重のちがいは、僕もごはんを食べたり運動をしたりしているのでへったり、ふえたりすると思います。

11.きっさ店でコーヒー豆が、100gが何円でした。ねだんは見ていません。スーパーでも肉が重さで売られているのを見ました。ぼくは、体重計で、かた足で自分を計ってみました。すると、体重がぐんと上がりました。3kgぐらいです。妹と一緒に体重計ではかると60kgも上がりました。

12.ぼくの予想では、水に軽い物はしずんで、重いものは浮くと思います。

13.ドングリは虫が入っていると浮いて、虫がいないとしずみます。

14.ママはパンを作る時、バターやぎゅうにゅうも重さをはかって、まぜてからまたきじの重さをはかって、おなじぐらいのパンをつくる。ほかに、ハンバーグをつくるときにレシピにかいてあるだけの重さをはかっていました。

15.イモリの水そうに水を入れて、氷を入れたら氷が水に浮かんでいたので、軽いことがわかりました。ミルメイクが学校のきゅうしょくの時に5gです。

16.私はあまりgkgが見つけられなかったけど、「れいぞうこ」の中などこれからはたくさん見て、kggを見つけていきたいです。たぶんお風呂に入ると軽くなると思います。また、かた足で体重計に乗ると重くなると思います。かた足の乗っている方に体重がかかるから重くなると思いました。重い物は水に浮くと思います。そのわけは、人間は水に浮くからです。

17.私の家では、お米などを計量器ではかって作っています。2合の時は何gなどをはかっています。体重では、お風呂に入った後は水の重さで体重がふえると思います。ガソリンでは、1リットル何円とかいているので安い所を探してガソリンを入れています。体重の話で、ごはんを食べた後にすぐ体重計ではかると体重はふえますが、ごはんを食べた後に何かをしてから体重をはかると(約1時間)ちょっと太るか、同じか、ちょっとやせているかになっていると思います。その理由は、ごはんを食べた後にすぐはかると、食べた物はあまり消化されていませんが、1時間ほどたってはかると消化されているからです。

 

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 以上のように、体重の変化、水に浮く・沈む、パン作り、お肉の重さ、氷の浮き沈みなどが、出てきました。特に体重の変化は、食べる前後、お風呂の前後、朝夜などの違いや、片足と両足で乗るときの違いなど、楽しい視点が出てきています。

 独自学習の環境がやっと整いました。体重計を使った活動をしたり、パンやケーキ作りに使うキッチン秤を活用して、生活の中の粉類、液体、固体の物を量ったりしていきます。

 学習は、理科の時間だけで身につけるものでなく、日頃の生活の中で繰り返し活用する中で、習熟していくものだと思います。時計や温度などと同じように、何度も使っている中で、感覚として身につけていくことが大切だと思います。

 子ども達の、独自学習が楽しみです。学習を進めていく上で、体重計の精度の問題があります。0.1kgや0.05kgや0.01kgまでの精度が家庭での問題点になりそうです。

 

 ■ お知らせ ■

<3年>

・物の重さ比べを進めます。キッチン秤を活用して、学習を進めます。持たせてください。

<4年>

・ものの温まり方の学習に入っていきます。水、空気、固体は、それぞれどのように温まるか実験をします。今週も、金属の熱の伝わり方について学習します。おうち実験、面白いです。

<5年>

・電磁石の学習に入りました。永久磁石と電磁石の比較をしています。

<6年>

・環境旅行記を書きあげた人から、電磁石のしくみを使ったロボット作りに入っていきます。さすが6年生です。旅行記とても素晴らしいものになっています。近く掲示します。

<科学G

・ダイコンを購入していただき有難う御座いました。おいしかったと、フィールドノートにお礼を頂きました。今週、科学グループは集会発表です。