5年>

1.盆地の中の川

 5年生の理科は、川の学習に入ります。今回は、理科遠足として川見学に行けないので、自分の家の近くを流れる川の研究をしてもらおうと思います。

 今、5年生のみなさんは、全員奈良盆地の中に住んでいると思います。盆地北部の比較的大きな川として、佐保川、秋篠川、富雄川、竜田川などがあります。それらの川の源流はどこで、最終的にどこへ流れていくのでしょうか。

 また、盆地の南の方には飛鳥川、葛城川、東から流れる大和川本流の初瀬川などもあります。

 これら奈良盆地の中の全ての川は、王寺のあたりで合流して大和川という一本の川となり、大阪と奈良を境する信貴山と二上山の間をつき切り、大阪平野に出ます。丁度、お盆の中の水が、一番低いところで一つに合わさり、たまたま流れ出る出口があったので、お盆の外に流れ出るというような感じだと思います。

 奈良盆地から大阪平野に流れ出る所は、山を削っていて、亀の瀬と呼ばれています。そこは地滑り地域で、もし何もしないで地滑りのままにしておくと、大和川が土砂で埋まってしまって、奈良盆地が琵琶湖のような湖になってしまうのです。また、亀の瀬地区の大和川は、先行谷と言って、生駒~金剛山地が山になっていない平地のときから流れていた川です。

 

2.河川地形

 大和川の河川地形には、V字谷、扇状地、河岸段丘、自然堤防、後背湿地、先行谷、天井川、三角州などが見られます。これらの地形も見つけるように、自分の近くの川をしっかり研究してほしいと思います。

 流水の働きとして、

浸食作用があります。下方浸食、側方浸食なども考えてみてください。川原は、どんなところにできるのか、川原の石はどんな形、どんな大きさなのか、なども研究の対象です。

 

3.川の付け替え

 奈良盆地内の川は、付け替え工事がなされていて、もともとの自然の流れの場所を流れていない場合が多くあります。昔の流路はどこだったのかを古い地図から探ってみてください。大阪平野の大和川は、江戸時代に大規模な付け替え工事がなされていて、現在の柏原から堺に至る川は、人工の川で、かつては柏原から北へ流れて淀川に合流していました。

 大阪ベイエリアにある「なにわの海の時空間」では、大阪地区の付け替え工事のことや、八百八橋もあった水の都大阪のことを調べることができます。

 奈良の川も多くの場所で付け替え工事がなされています。秋篠川、佐保川も、現在の川の場所は、付け替えられた水路になっています。

 

4.水運

 奈良盆地内の川も、昔は水量が多かったようです。舟を使った運搬も行われていて、藤原京から平城京へと遷都するときは、飛鳥川や佐保川を、舟を使って移動したとも言われているほどです。今の川の水量を見ていると考えられないことです。

 佐保川には、かつて船着場もあって、そこでは定期的に市が開かれていたようです。

 また、大阪から奈良へは、剣先船が行き来して、先ほどの亀の瀬も、それらの船が人や荷物を載せて運行していたようです。

  ☆  ☆  ☆ 

 さて、少しヒントを与えました。5年生は、頑張って調べ学習を進めてください。

 

6年>大地の研究

 「私たちの住んでいる地面の下は、どうなっているのか。」「化石や地層は、どのようにできたのか。」こんな学習のめあてを6年生は持ちました。

 そこでまず、化石の学習から始めることにしました。化石を学んでいくと、地史のことにつながりますので、「地球の歴史と生物の進化」について、学習しました。

 

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地球誕生(46億年前)

先カンブリア代

古生代

 カンブリア紀

 オルドビス紀    

 シルル紀

 デボン紀

 石炭紀

 二畳紀(ペルム紀)

中生代

 三畳紀

 ジュラ紀

 白亜紀

新生代

 第三紀

 第四紀

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 以上、地史の調べ学習をして、それぞれの時代の代表的な化石について調べました。

 先カンブリア代のストロマトライトは、かつてオーストラリアに行ったとき、シャークベイで見たことがあります。世界で、数箇所にしか生き残っていないものだそうです。カンブリア紀のアノマロカリスは、これはカナダのロッキー山脈にあるバージェスというところで見ました。バージェス頁岩のある場所には、登りに5時間、下りに5時間もかかる山道を歩いて見に行きました。

 地史の学習を終えてから、学校の化石サンプルを使ってスケッチ学習をしました。フズリナ、サンゴ、三葉虫、アンモナイトなどの動物化石を見たり、ロボク、メタセコイアなどの植物化石を見たりしました。

 各ご家庭でも、化石標本を持っておられる場合がありますので、それらを見ながらフィールドノートに、学習を深めて欲しいなあと思います。そして、地球における「生命の進化」について、自分なりに、考えを持って欲しいと思います。

 次回は、身近な地面の下はどんな岩石、地層で出来ているのか調べていきたいと思います。そこで、生駒山の近くに住んでいる人は、生駒山の石を持ってきて欲しいと思います。また、若草山の石はどんなんだろう、平野の下はどうなっているのだろうと、さぐってみたいと思います。

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 1027日(月)~117日(金)の2週間、アメリカへ行き、現地の小学校で授業をしたり、アメリカの理科教育学会で発表したりします。そのため、2週間、理科がありません。

 

 

 ■ お知らせ ■

<読書>

 毎週、だいたい4~5冊ずつぐらい本を買っています。同時に並行して数冊読み進めていきます。今読んでいるのは、谷沢栄一、沢木耕太郎、筒井康隆、寺山修司などの方々のエッセイ、生命の進化の本、作文教育の本などです。

<3年>

 晴れたら、虫眼鏡を使った活動をします。曇ると、電気の学習をします。

<4年>

 星座の学習をします。夏から秋、そして冬の星座を、10種ぐらい見分けがつくようにします。

<5年>

 川の石から、考えられることを考察します。川原の石を見ながら考えます。

<6年>

 今週はありません。化石の学習を、フィールドノートに進めてください。近畿周辺の化石については、大阪長居の自然史博物館、滋賀県の琵琶湖博物館に、詳しい資料があります。