電気の回路  2008.6.30(月)

 

1.電流計を使う

 4年生のこぎつね達は、電気の流れ方について研究をしています。

 乾電池1個、豆電球1個の回路を作って、その回路の電流の強さの測定をします。こぎつね達は予想をしてから実験をしました。

 

K「電気は、+から-へ流れます。豆電球で電気は使われるので、BはAよりも電気は少ないと思います。」

L「私も、Bは、豆電球を明るくつけた後なので、少ないと思います。」

M「僕は、AもBも同じだと思います。理由は分かりません。」などの、意見が出されました。電流計をAやBの場所に入れて、電流の強さを測定しました。

 結果は、

  A  220mA

  B  220mA

でした。どちらも同じ電流の強さでした。理由は、分かりませんが、同じ電流の強さでした。

 

2.乾電池2個の直列つなぎ

 豆電球1個と、乾電池2個のつなぎ方は、乾電池の並列つなぎ、直列つなぎを考えます。こぎつね達は、いろいろな形の直列、並列を考えましたが、電流の測定は、基本的な形について研究をします。

 まず、乾電池2個の直列つなぎです。豆電球の明るさが違うので、流れている電流の強さが違うのではないかと考えています。

N「乾電池が2個なので、倍の440mAが流れていると思います。」

O「僕は、440mAよりも少ないと思います。理由は、よく分かりませんが。」

 

 実験の結果は、

  C  300mA

でした。

 倍にならないで、約1.5倍でした。こぎつね達は、不思議だねえといいながら、結果を見つめました。

 

3.乾電池2個の並列つなぎ

 乾電池2個の並列つなぎについての研究をします。回路図を見ると、簡単に思えますが、実際に電流計を入れた配線を組むのは大変です。

 

 この実験では、とても大変なことが起こってしまいました。エネループという、充電式の乾電池を使って実験をしていたのですが、エネループでは、電流量が測定できないことが、子ども達と一緒に取り組んでいて分かってしまったのです。

 Dは200mAで、ほぼ乾電池1個の場合と同じような電流の強さなのですが、

 Eに電流計を入れると

   30mA

 Fに電流計を入れると

   30mA

となりました。

 EとFに同時に電流計を入れると、共に100mAとなります。エネループでは、EとF、別々に電流計を入れて電流の強さを測定できないことになります。

 キツネTは、「何でこうなるの」と、冷や汗が出てきました。急遽、マンガン乾電池に切り替えて実験を行うと、それぞれ、電流を測定することができました。なんとか授業の終わりまでには、間に合いました。

結果は、

  D  200mA

  E  100mA

  F  100mA

と、なりました。

考察は、

  E+F=D

になることが分かりました。どの班も、おおよそ、E+Fが、Dになりました。並列つなぎでは、Dは、おおよそ乾電池1個分の電流が流れていること、そして、それぞれの乾電池からは、半分ずつの電気が流れ出すことを、捉えることができました。

 「だから長く電池を使うときは、並列に乾電池を入れるんだ。」と、納得したこぎつねもいました。

 きつねTは、直ぐにエネループを生産している会社に問い合わせをしました。そうすると、エネループは、内部抵抗がとても小さいので、電流計の中の抵抗に関係してしまい、マンガン乾電池の時のように測定ができないということが分かりました。冷や汗でした。

 

<まほろば通信>

 理科専科教育もまる3年間が過ぎて、4年目に入りました。今年の5月に、3年間のお便りを冊子にまとめた「まほろば科学館だより」を作りました。几帳面な方は、これまでのプリントを綴じておられるとは思いますが、1号から116号と、それ以前に書いていた科学館だより37号分を合わせたおおよそ270ページ程の冊子になっています。一冊1000円(一切もうけなし)でお分けすることができますので、理科室まで申し出てください。

 また、きつねTが、たぬきTと、1年から6年まで持ち上がった学年の時に書いた、「学年便り・まほろば」も、250ページほどの冊子にしました。これは、その時々の年齢に合った教育エッセイになっています。親の教育支援のあり方、我が校の子どもの育ち方、奈良の学習法などについて書いています。書いた本人が今読んでも面白いと思えるものです。また、新入学を希望する保護者が、奈良女附属小の六年間の教育を見通すのに、ちょうどよいテキストだとも思います。低学年、幼稚園の保護者にも紹介してもらえると嬉しいです。これも、1000円で、印刷費のみです。理科室で、声をかけてください。

 

■ お知らせ ■

<3年>

豆電球の回路を作ります。そして、電気を通すもの通さないものを調べます。

<4年>

ハイブリットカーの製作の続きをします。今回は、全員が走らせることができるように頑張りましょう。

<5年>

天秤の学習に入ります。左右の釣り合いについて、上皿天秤を使って、学習をします。

<6年>

草木の水の通り道、気孔、蒸散作用について学習をします。

<連絡>

3年生は、フィールドノートに、蛍の研究をしましょう。キツネTは、先週、東大寺境内の北側で保護されている大仏蛍を見てきました。真っ暗な林の中を、ふわりふわりと、たくさん飛んでいました。昨年は、丁度今頃、布目川にでかけて、ゲンジボタル、ヘイケボタルを見ています。奈良には、まだ、蛍がいるようです。こぎつね達が子どもの頃に、ぜひ、見せてあげて欲しいと思います。最高のエコロジー教育です。