太陽は動く? 2008.6.9(月)
今日は、まほろば小学校の天文学研究所で研究をします。望遠鏡もあって宇宙のことを研究していくことが出来ます。
こぎつね達がやってきました。こぎつね達は、太陽について考えました。
「太陽のことは何も知らないので、これからいろいろ勉強していきたいです。楽しみです。」
「私は、太陽はあらしを起こしていると思います。また、地球に温暖化をおこして、地球が危機になっていると思います。」
「太陽の動きは目では見えないので、ビデオを撮ると分かると思います。」
「私は、日時計のように影の動きで太陽の動きを観察していけばいいと思います。」
「時間ごとに、動きをきちんと観測していけば、動きが分かると思います。」
と、素晴らしい観察の目当てを持つことが出来ました。
キツネ先生は、こぎつね達のために、透明半球を一人に一個ずつ配りました。教材用の透明半球は高いので、ラッピング用品などを売っている店で、安いものを買って来ています。
1.もって帰ったら叱られる
昔は、直径20cmぐらいの大きな透明半球を班に一個使って、共同で太陽の動きを記録していたのですが、そうすると、見ているだけの人も出てきて、うまく理解が進まないことがわかりました。また、一時間ごとの観測も人任せにしている子どももいます。
さらに、早朝、夕方の、学校で出来ない部分は家で観測するのですが、班の中で押し付け合いをしたり、じゃんけんで負けた人が持って帰ったり、「もって帰るとお母さんに叱られる」と、泣き出す子どももいる始末です。ほんの一部であるとは思うのですが、やる気の無い空気が、学習の全体の雰囲気を覆ってしまうというようなことがありました。
そのような、やる気のない雰囲気が広がるようなことがあってはいけません。そこで、やはり観測は個人でするのがよいと思うようになりました。頑張る子、頑張る家庭から、子どもが自分でコツコツ取り組めるようにしました。そして、その取り組みを教室で紹介し合って、やれば面白いことを友達から学ぶようにすることが大切だと思いました。学習とは、努力が積み重なって初めて成就するものです。この活動をするたびに、「もって帰ったらお母さんに叱られる。」と泣いた子どもの声が、ぐるぐると回ります。
2.太陽観測の方法
少し小さめの、直径10cmぐらいの透明半球でも太陽の動きを記録できることが分かりました。
半球は、十字線を描いた厚紙の上に貼り付けて、十字線の端には、東西南北を書き込みました。そして、片隅に方位磁石を貼り付けるだけです。完成した太陽の動き観測器を、日陰にならない場所に持ち出し、方位磁石で、観測器の方位をあわせます。この時、観測器を、ベランダ、テラスに直接置いてセットすると、鉄筋に左右されて、方位磁石が北をささないときがあります。水平な木の椅子や、プラスチックの台などの上に載せて、セットするようにしてください。
次に、鉛筆の先に丸い小さなシールを一つ付けて、透明半球の近くに持ってくるとシールの影が台紙の上に出来ます。そのシールの影が十字線の所に重なる時、シールを透明半球状に貼り付けます。
貼り付けたシールの横に、小さく13:00と、時刻を書き込んでおいてください。出来るだけ1時間おきに観測するのがいいと思います。
途中で、天気が悪くなり、太陽が見えなくなるときもあると思います。その場合、1週間程度の間なら、その続きにシールを貼ってください。また、学校の続きとして、早朝、夕方も、あまり間を空けないようにして、シールを貼ってください。
3.太陽観測の意義
この観測は、夏至の頃、そして、秋分、冬至の頃と、三回観測しようと思います。子ども達に、天空の空間概念を身につけさせることがねらいです。星や月の動きの観測はさらに難しいので、この太陽の動きの観測を、自分で取り組んで、立体的な空間での動きを体験を通して身につけておくことが大切です。4年、6年、そして中学校でも、太陽、月、星の動きの学習をしますが、それらの学習の基礎をつくる取り組みだと思っています。大空をどのような空間座標でみていくとよいのか、の体得の活動です。
4.太陽の動きは?
ほとんどのこぎつね達は、日の出を見たことがありません。そこで、「太陽はどのように動いていると思いますか。」とおたずねをすると、「上から下へ動いていると思います。」と、意見が出ます。多分、朝、空を見上げると太陽が出ていて、それが、夕方沈んでいくので、上から下と言うのでしょう。
次に、「方位って知っていますか。この理科教室にも、北、東、南、西と、書いてあるでしょ。太陽は、どの方位から、どの方位へ動くのでしょう。」と聞きました。
こぎつね達が言うには、「西から東へ動く。」「東から西へ動く。」と、両方の意見がありました。お母さん達も後ろでこぎつねの意見を聞きながら、「わが子はあんなことを言っているわ。恥ずかしいわ。バカボンの世界だわ。」と、思っています。
そんな、あんなで、子ども達は、殆ど太陽の動きや、存在そのものの空間的場所が、分かっていないというのが、現状だと分かります。学習は、やりがいがあります。
■ お知らせ ■
<3年>
太陽の動きと温かさ調べをします。また、虫めがねを使って、太陽の光を集めたりします。しばらく、太陽関連の勉強をしようと思います。しかし、お天気が良くないようなので、太陽や太陽系などの資料なども持ってくるようにしてください。
<4年>
乾電池、光電池を使って、電気の流れ方の学習をします。電流計、電圧計などを使った学習へも発展しようかなと思います。直列、並列つなぎを流れる電流を調べます。
<5年>
天気の変化を調べよう。気温、湿度、気圧、雲の種類、雲の動き、天気図、台風などについて、学習をしていきましょう。
<6年>
コンデンサを使って蓄電したり、電気の利用について、考えたりします。環境とのつながりへと学習を広げましょう。
<科学G>
個人追究を続けます。岩石、プランクトン、花粉、結晶、電子工作、それぞれ頑張って深めましょう。