種の発芽の研究  2008.4.21(月)

 

 5年生のこぎつね達は、植物研究室で、種から芽が出るときの発芽条件について調べる実験を始めました。

 今日も理科係のこぎつねが「どんなめあてを持って実験をしますか。」と、みなさんにたずねました。

K「去年はヒマワリやヒョウタンを植えました。今年は、発芽の様子をじっくりと観察したいです。」

L「私は、コカブを植えています。種からの発芽の様子を見たことがありません。」

M「種は、どんな環境で育つのか調べてみたいと思います。」などと、意見を述べ合いました。

 そこで、キツネ先生が

「発芽に必要な条件は、どんなことが考えられますか。」と、こぎつね達に尋ねました。

 水、空気、適当な温度、日光、土、肥料などが出されてきました。でも、それらの条件について、意見があるこぎつねもいるようです。

N「光はいらないと思います。どうしてかというと、光合成をするための葉がないからです。」

O「種の中に栄養があるから、肥料は必要ないと思います。種の中の栄養を調べる実験もしたいのですが。」

P「アサガオを植えたときも、暗い土の中に植えて発芽したので、日光は必要ないと思います。」

Q「種には、根がありません。肥料分を吸い上げることができないので、発芽には、肥料が必要ないと思います。でも、成長するときには、肥料はいると思います。」

R「種は殻(から)におおわれているので、水や空気は必要だけど、土や肥料や日光は、からの中なので、いらないと思います。」などなど、次々に、すごい意見が続きました。

 キツネ先生がその時「みなさんは、本で読んだり、また、自分の考えで意見を言ったりしていますね。科学では、必要だ、また、必要でないという意見を、実験で証明することが大切です。当たり前と思っていることでも、実験で証明してから意見を言うことがルールなのですよ。」と、話しました。

 キツネ先生が話をした時、こぎつねSが、「みんなが言っていた日光のことですが、僕の持ってきた資料には、日光がないと出ない種と、日光があると出ない種があるようです。日光の条件が、発芽に関係ある種もあると思います。」と付けたしました。

 そこで、こぎつね達は、当たり前と思っている条件についても実験してみることにしました。各班で、それぞれ一つの条件を調べる実験を工夫して、後で、結果を交流します。他の班とできるだけ違う実験をするようにしました。これは、プロの研究者の方法です。科学者は、人と違う実験をして、自分のオリジナルなデータを持って意見をいうことが大切です。他の人が考えた実験を、他の人がした後から実験して同じ結果を持っていても、あまり価値がないのです。

 そこで、こぎつね達は、各班で話し合いをして、他の班とできるだけ違う、温度、光、土、肥料、空気について条件を変えて実験をする方法を考えました。

 温度については、冷蔵庫の中と室温で比較して、土がいるかどうかは、土と綿で発芽させます。光については、明るい所と暗くした所で発芽させます。空気が必要かどうかの実験が少し難しいようです。一つのグループは、空気有りと、空気無しの水の中につけて比べます。もう一つのグループは、普通の空気と、酸素や二酸化炭素のほとんど無い窒素の中で育てます。窒素と決めたグループは、「キツネ先生、実験の時、真空にすることはできますか」と聞きに来たので、「まほろば小学校の実験室で真空を作るのは、難しいです。その代わり、窒素ボンベがあるので、酸素や二酸化炭素の無い、窒素(ちっそ)の中で育ててみることはできますよ。」ということから、窒素中で実験をすることになりました。

 比較実験の準備が始められました。違える条件と同じにする条件を表にまとめてから実験を始めます。プラスチックカップ、バーミキュライト、綿、インゲンマメを使って、それぞれの班で条件を比較するようにセットができました。短い時間に、さっさと的確に準備が進められました。

 ☆  ☆  ☆  ☆

 次に、植物の種の中にある栄養分調べをします。

 先ず、①炊いたご飯、②パン、③生のジャガイモに、デンプンがあるか調べました。こぎつね達は、生のジャガイモはあると思うけれど、炊いたご飯や、焼いたパンの中には、無いのではないかと考えました。

 「ヨウ素液」という薬品をかけると、デンプンがあると青紫色になります。それぞれ予想を立ててから実験を始めました。すべて、青紫色に変色し、デンプンがありました。

 続いて、インゲンマメとトウモロコシの種に、デンプンがあるか、調べました。キツネ先生が前日から水につけて、柔らかくなった種をメスで半分に切って、ヨウ素液をかけて調べました。トウモロコシは、直ぐに黒っぽくなり、デンプンがあることが分かりました。インゲンマメは、反応するまでに時間がかかったのですが、デンプンがありました。

 こぎつね達は、うがい薬が、デンプンを調べるヨウ素液として使えるので、家でもいろいろな食べ物を調べてみたくなりました。

 いろいろな種(固い場合はペンチなどで潰してヨウ素液をかける)、いろいろな野菜(切り口にヨウ素液をかける)、いろいろな野草の根(少しハンマーでたたいてヨウ素液をかける)などができます。

 また、顕微鏡で見ると、デンプンの粒が見られます。植物の種類によって、例えば、ジャガイモ、サツマイモ、ヤマイモ、レンコン、みんな形が違います。 

 

 ■ お知らせ ■

<3年>

春の校庭さんぽをします。植物図鑑を持ってきてください。宿題の押し花、表紙を付けてください。10種類以上した人は、手間ですが、画用紙を自分で準備してください。

<4年>

ツバメ研究と校庭の木々の研究をします。校庭には50種ぐらいの木々がありあす。落葉樹、常緑樹、針葉樹、広葉樹などの学習をしますので、資料を持っている人は持参する。雨で採集にいけなかったけれど、押し花頑張ってね。

<5年>

種の発芽の様子を観察します。でんぷんの顕微鏡観察をします。見たい、でんぷんを含むものを持ち込んでください。

<6年>

自分達で作ったコイルを使って、電磁石性質を調べます。巻き数や電流量の違いによる磁力の変化を調べます。また、砂鉄を使って、磁場の広がりも調べましょう。

<科学G

 個人テーマの計画を立てます。どのように研究を進めるのか、考えをノートに書いてきてください。