春のさんぽ 2008.4.9(水)
今年からは、理科の学習では、子どもが読むためのお便りを出したいと思います。毎号、学習の一場面や科学物語や本の紹介などを、読みやすいお話にして書いていきますので、自分の学年のことでなくても、読んでくださいね。
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こぎつねとキツネ先生は、春の野道にさんぽに出かけました。
太陽の光は、冬のころと比べると、キラキラとしてまぶしいくらいです。「ひざしが強くなりましたね。」とこぎつねAが言いました。「もう春分を過ぎているからね。」と、キツネ先生が答えました。
こぎつねAは、「春分」と「太陽のひざし」との関係が分かりませんでした。
そういえば、物知りのこぎつねBが、太陽の話をしているときに、春分・夏至・秋分・冬至の時の太陽高度がどうのこうのと、ひとりごとを言っていました。季節の変化と太陽高度とは、どんな関係があるのでしょうか。こぎつねAは、調べてみたくなりました。
「太陽の通り道の研究については、3年生と4年生は、これから観察していきますよ。3年生は透明半球にシールを貼って調べます。4年生は、方位と高度で、太陽の動きを観測して記録していきます。」
と、キツネ先生が言いました。そして、「春、夏、秋、冬、太陽はどのように変化しながら動いているのか、こぎつね達の力で観測できるといいですね。」とも言いました。
太陽のことを話しながら歩いていると、こぎつねさんぽは、小さな公園に着きました。公園の周囲にはたくさん草が生えています。
「ここでは、草花の種類の観察をしましょう。」と、キツネ先生が言いました。
まず、陽だまりに、①オオイヌノフグリ、を見つけました。青い色の小さな花が咲いています。他には、②ナズナ ③ホトケノザ ④ハルノノゲシ ⑤カラスノエンドウ ⑥タネツケバナ ⑦シロツメグサ ⑧ハコベ ⑨タンポポ ⑩ヤエムグラ ⑪キュウリグサ ⑫ハルジオン ⑬ヒメジョオン ⑭カタバミ ⑮オオバコ、などが見られました。
次は、田んぼの近くに行きました。①スズメノテッポウ ②カズノコグサ ③ギシギシ ④スイバ ⑤ツクシ(スギナ) ⑥スズメノカタビラ ⑦ヨモギ ⑧オランダミミナグサ ⑨スミレ ⑩レンゲソウ などが新たに見られました。
少し山道に入りました。田んぼとはまたちがった植物が見られます。①ヤマネコノメソウ ②ショウジョウバカマ ③ムラサキサギゴケ ④シロバナタンポポ ⑤カキドオシ ⑥タツナミソウ ⑦オドリコソウ ⑧ジシバリ ⑨トウバナ ⑩キツネノボタン などが見られました。もっともっといろいろな種類の植物があるようです。
植物は場所をかえてさがすと、すぐに50種ぐらい見つけることができます。こぎつね達は、これまで全て草や花と言っていた野草に、それぞれに名前があることを初めて知りました。
また、もう少しくわしく植物研究をしてみたいと思っているこぎつねCに、キツネ先生は次のような説明をしました。「カラスノエンドウには、よく似た仲間で、スズメノエンドウと、カスマグサがあります。こだわってさがすと、三種類見つけることができますよ。」 「また、ハコベには、ハコベ、ミドリハコベ、ウシハコベ、コハコベなどに分けることができます。見分け方はむつかしいのですが、図鑑と比べながら研究をしてくださいね。」と説明しました。さらに、「スミレには、本当に多くの種類があって、スミレだけで大きな図鑑ができる程です。スミレの種類を調べるのは、案外難しいですよ。」と言いました。
ちなみに、「キツネ先生は、5、6月ごろ、公園の芝生の近くで見かける、キキョウソウとネジバナが好きです。」と、こぎつね達に話しました。
虫のことにくわしいこぎつねDは、花にとまっているテントウムシを見つけました。こぎつねDは、テントウムシについて、こぎつねのみんなに説明してくれました。「よく見かけるテントウムシには、ナナホシテントウと、ナミテントウがいます。ナナホシテントウは、オレンジに、黒い水玉もようがあります。模様の入り方は決まっています。一方、ナミテントウの模様は、大きく分けると4種類あって、ほとんど黒、黒に大きな二つの丸い模様、オレンジ~黄色で黒い水玉模様、殆どオレンジ~黄色で模様なしです。」
テントウムシの幼虫も見つけることができました。色は黒とオレンジの2色ですが、形が丸くありません。テントウムシは、親も子も、アブラムシを食べます。アブラムシがついている植物を探すと、テントウムシの親子を見つけることができました。
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さんぽから帰ってきたこぎつねたちは、草花のスケッチをすることにしました。スケッチをすると、今まで気がつかなかった花のつくりや、葉のつき方、葉脈のようすが見えてきます。そして、押し花標本を作りました。画用紙に草花の形や大きさを整えて、セロテープで貼り付けます。次に、新聞紙の間にはさんで、水分をとっていきます。雑誌や電話帳などの間にはさんでもよいかもしれません。採集年月日、採集場所、種名、科名、採集者のラベルをつけて完成です。
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参考資料や参考図書
①野の草花図鑑Ⅰ早春~夏 杉村昇著 偕成社
②野草ハンドブック1春の花 冨成忠夫著 山と渓谷社
③科学のアルバム テントウム シ 佐藤有恒著 あかね書房
④春の植物押し花標本2007年 64種 A君
⑤春の植物押し花標本2007年 51種 Uさん
⑥春の植物押し花標本2007年 34種 Nさん
■ お知らせ ■
<3年>
今週はありません。来週、理科の初日ですが、晴れたら植物観察さんぽに出ます。詳しくは、係さんに連絡します。
<4年>
校庭の植物観察をします。春の野草が調べられる植物図鑑やインターネット資料を持ってきてください。オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、ホトケノザ、ナズナ、ハコベを調べます。
<5年>
今週はありません。来週から始めますので、係は連絡を聞きに来てください。読書は終えた?
<6年>
5年生の続きで、酸素、二酸化炭素の実験をします。関連資料を持ってくるようにしてください。科学関連の読書紹介を書きます。本を持ってくる事。
<科学G>
自己紹介。掃除決め。活動計画決め。
<博物館紹介>
橿原市昆虫館で「大台ケ原の自然」の展示をしています。5月18日まで。見ておくといいと思います。