暑い5月末日でした

 

 暑い真夏のような5月の末日になりました。地球の温暖化が進んでいるのか、最近の暑さに関して、観測史上最高という言葉を毎年のように聞きます。

北極海の氷は、かつての頃と比べて夏になると極端に少なくなります。グリーンランドの氷もどんどん解けているようです。ヨーロッパアルプス、アジアのヒマラヤ、アフリカのキリマンジャロ、北アメリカのロッキー山脈の氷河も、年々減っています。南極の氷河も解けていて、ペンギンなどの生育に影響が出ているようです。

北極海の氷は、海に浮いている氷なので、解けても海水の量が増えることはあまりないのですが、地上に固定されていた氷河の氷、特に南極大陸の氷が全て解けると海水面が50m~100mも上昇すると計算されています。今、アルプスなどの氷河は確実に解けています。ロシアの永久凍土も解けていると報道番組で見たことがあります。そうすると、本当は、海水面が上昇しているはずですね。

さらに、海水温が上昇すると、水が膨張することも計算に入れる必要があるということです。学校でも、水の膨張を調べる実験をします。簡単な実験では、ワインの瓶のような先が細くなっている容器に冷たい水を瓶の口から3㎝ぐらい下まで入れて、瓶を100℃の湯の中に入れて温めると、水温が温まるにつれてじわじわ水面が上がってきて、ついには口からこぼれるまでになります。水は温まると膨張することが分かります。海水も、大量の水ですので、わずか1度上がるだけでも、水量が増えて、海面が上昇するということです。

温暖化が進むと、気象現象が活発になります。蒸発量が増えるので、激しい雨や台風の発生、竜巻などが増え、大きな災害をもたらします。海面上昇は、潮の満ち引きがあるので、少しの増加では直ぐには影響が出ることはありません。それは、毎日、数メートルの海水面の変化に対応できる港を造り生活していて、さらに、毎年の台風の襲来にも持ちこたえるような堤防も築いているからです。しかし、海面上昇は確実に起こっているので、大潮の時の低気圧による災害では、新聞記事でよく見る「想定外、未曾有の大災害」になることがありえる時期にきているように思います。イタリアのベネチアが年に数回、海水が町に入り込み、人々が膝まで水につかって歩いている風景をテレビで見ます。海面が上昇している証拠です。

海面が上昇し、波の浸食がはげしくなると、海岸線もどんどん変化します。これまで波による浸食作用の激しい所はさらに浸食や運搬作用が進み砂浜はなくなり、崖は削られます。また、砂が堆積する場所ではどんどん砂に埋もれていき、港が使えなくなります。そのような視点で海岸の変化を見ていくと、影響が表れている地域もあるのではないかと心配します。

さらに、気温の上昇は、栽培植物の適地が変化するようにもなります。品種改良が毎年進んでいるので、温暖化の影響が分かりにくいのですが、米やミカンやリンゴなどの産地が、北上しているようです。南に生育していた昆虫や雑草も、北上しています。

なぜ地球全体が温暖化しているのかの理由が、学者の間で定まらないので、私たちは判断に困ります。空気中の二酸化炭素の増加は確実に進んでいて、その増加量と温暖化の傾向が似ているので、人の活動によって作られた温暖化であるともいわれます。森林伐採と、化石燃料の使用量の増加です。また一方、これまで地球は、全て氷に覆われた時期や、全ての氷河が解けた時期があったことが分かっています。常に氷河の量が変わるのは当たり前と考える地質学者の意見もあります。地球の大きな気温変化は、太陽の活動の変化、太陽系全体が他の物質に覆われ太陽の光の届く量の変化、地球の地軸の傾きの変化、地球規模の火山活動の活発化など、いろいろな仮説が出されています。確実に言えることは、1万年前は100m海面が下がっていて、2000年前ごろは、5mほど海面が高かったということです。とにかく、5月末日、暑いですね。