比べて学ぶ

 

三年生の理科は、比べて、違いや似ているところを引き出し、なぜだろうと考える、科学の基本を学びます。分類するということです。自然は色々な種類の植物や昆虫や目に見えない生き物でいっぱいです。それらを、イロイロいると言ったり、単なる草、虫、ばい菌などと言ったりしている間は、科学的な見方が育ちません。まず、比べて違いを見つけることです。形、大きさ、色、重さ、個数、組み合わせ、周りの環境、変化の仕方など、比べることは簡単なことから、高度なことまであります。

きつねTが大学生の時の植物演習のとき、カヤツリグサ科を5種類以上探して、押し花にして提出するという課題がありました。2週間ほど、友達と情報を交換しながら、カヤツリグサ、コゴメガヤツリ、クグカヤツリ、ヒメクグ、アゼガヤツリ、タマガヤツリなどを学校周辺で集めたことがありました。また、岩石学の授業では、二上山へ行き、火山岩6種類の標本を作って提出というのもありました。雌岳流紋岩、溶結凝灰岩、どんずるぼう非溶結凝灰岩、黒雲母ざくろ石安山岩、雄岳無斑晶安山岩、サヌカイトを提出しました。博物学、分類学的な追究は、自然観察の基本です。今回、植物の標本作りに多くの人が懸命に取り組んでくれました。どんな植物があったのか、紹介しましょう。

<A君>

19科47種 不明4種 スミレ科:アリアケスミレ・エイサイスミレ・コスミレ・タチツボスミレ・ビオラ アブラナ科:オオアラセイトウ・マメグンバイナズナ カタバミ科:オッタチカタバミ・カタバミ・ムラサキカタバミ オミナエシ科:オトコエシ・オミナエシ キク科:オニタビラコ・セイヨウタンポポ・ダンドボロギク・チチコグサ・チチコグサモドキ・ハルジオン・ヒメジョオン(白・ピンク)・ペラペラヨメナ・ヨモギ ナデシコ科:オランダミミナグサ シソ科:カキドオシー・ヒメオドリコソウ・ホトケノザ マメ科:カラスノエンドウ・コメツブウマゴヤシ・シロツメクサ・ススメノエンドウ・ナンテンハギ シナノキ科:カラスノゴマ ムラサキ科:キュウリグサ(青・白) ケシ科:クサノオウ・ナガミヒナゲシ イネ科:コバンソウ・ススメノテッポウ・ヒメコバンソウ・ミゾイチゴツナギ ユリ科:ササユリ タデ科:スイバ トクサ科:スギナ イグサ科:スズメノヤリ キキョウ科:ヒメギキョウ アカネ科:ヒメヨツバムグラ ゴマノハグサ科:マツバウンラン

<B君>

19科50種 キク科:ハルジオン・ヒメジョオン・オオジシバリ・オニタビラコ・カンサイタンポポ・セイヨウタンポポ・ノゲシ・ハハコグサ マメ科:カラスノエンドウ・スズメノエンドウ・ヨナクサフジ・レンゲソウ・コメツブウマゴヤシ・シロツメグサ シソ科:カキドオシ・トウバナ・ヒメオドリコソウ・ホトケノザ ナデシコ科:オランダミミナグサ・ソロバナマンテマ・ツメクサ・ミドリハコベ アブラナ科:セイヨウカラシナ・タネツケバナ・ナズナ イネ科:コバンソウ・ヒメコバンソウ・スズメノテッポウ カタバミ科:アカカタバミ・カタバミ・ムラサキカタバミ ゴマノハグサ科:オオイヌノフグリ・タチイヌノフグリ・トキワハゼ アカバナ科:マツヨイグサ・ユウゲショウ キンポウゲ科:タガラシ・ヒメウズ タデ科:スイバ・ヒメツルソバ バラ科:ヘビイチゴ・ミツバツチグリ ムラサキ科:キュウリグサ・ハナイバナ アカネ科:ヤエムグラ アヤメ科:ニワゼキショウ イグサ科:スズメノヤリ セリ科:ヤブジラミ トクサ科:スギナ ナス科:アメリカイヌホウズキ

☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 すごい追究力があるなあと、感心します。植物図鑑の使い方、押し花の仕方、植物の見方など、学ばれたことでしょう。きつねTも、前任の小学校の5年担任の時、昆虫採集を子ども達と一緒に取り組んだことがあります。標本箱5箱ぐらいの昆虫を集め、名前をつけました。校区の昆虫と、臨海合宿でいく和歌山の昆虫を比べました。甲虫、蛾などで、とても区別の難しいものがあり、苦労したことを思い出します。