チョウの幼虫

 

私たちの学校では、長い8連休があるので、できればその間にチョウの幼虫の観察を始めてほしいと思います。もし、海外旅行などを考えているご家庭は、帰ってからでももちろん結構です。モンシロチョウの飼育は、理科の教科書にものっていて、卵を見つけるのは簡単です。モンシロチョウの幼虫はキャベツやアブラナなど、アブラナ科の植物の葉を食べて育ちます。そのため、校内にはキャベツや、ハボタン、アブラナ、ダイコンなどの植物を秋から育てています。そこで、春の運動会の時、保護者の皆さんは子ども達の運動会の様子を見学に来られることと思いますので、帰る前に、お子さんと一緒に花壇を回って卵や幼虫を探してみて下さい。一般の畑ではキャベツには農薬がかけられていて、幼虫が育ちにくい環境ですが、学校の植物は無農薬です。いくらでもいます。

飼育ケースで飼育する時は、キャベツの葉をできるだけ枯らさないようにするとよいでしょう。そのためには、葉の葉脈の下の部分をぬらしたもので包んでおくと、比較的長持ちします。エサのキャベツは、私たちが食べる食用のキャベツの葉を与えます。農薬の少ないところを選んで、そして、よく水洗いをしてから与えて下さい。また、糞は、こまめに掃除をしてください。糞だらけになってくると、病気にかかりやすくなります。

観察は、独自学習ノートにしてください。スケッチをしたり、写真撮影をしたりして、成長の様子を記録するとよいでしょう。また、大きさを測定したり、脱皮の様子、体のつくりの様子、エサの食べ方、動き方などを詳しく調べたりして、文章で記録していきましょう。たくさんの幼虫を飼育するのは大変ですが、何匹かチョウになるまで育ててみて下さいね。きっと、脱皮をしたり、羽化をしたりする瞬間を見ることができるでしょう。感動の瞬間に出合うことができます。

チョウになると、エサの与え方がむつかしく、さらにより広い飼育ケースも必要になりますので、逃がしてあげるといいかなと思います。体のつくりを観察してから、大空に放しましょう。前回のお便りにも書きましたが、チョウの幼虫の一連の学習が終わるとレポートを書きます。できるだけ連続した記録があると、レポートが書きやすいと思います。日々の観察ノートが大切です。

モンシロチョウ以外にも、アゲハ(ミカンの葉)、キアゲハ(ニンジン、パセリの葉)、ツマグロヒョウモン(パンジー)、アオスジアゲハ(クスノキの葉)などの幼虫も育てやすいチョウです。それぞれのチョウを育てる時は、エサの確保を各自でお願いします。例えば、アゲハを育てる時、学校のミカンの木の葉をみんながとると、木が枯れてしまいます。家でミカン、カラタチなどの葉を確保してから、飼育を始めて下さい。かつて、家でパセリを栽培していると、キアゲハが産卵して幼虫が育っているときがありました。植木鉢で数本育てていたパセリは、6匹のキアゲハの幼虫が食べつくしてしまいました。そこで、ショッピングセンターで買ってきたパセリを与えると、農薬の影響か、全て死んでしまいました。キアゲハの幼虫が死んでしまって可哀想と言う気持ちと、また一方、人はこのような農薬のついた野菜を食べているのだなという恐ろしくなる気持ちが起こりました。

チョウの幼虫を、気持ち悪いと言う人がいます。母があまりに言い過ぎると、子どもにも伝わってしまいます。わが子の教育と思って、ぐっと我慢して取り組みを応援して下さい。実は、岩石学が大好きなキツネTも、幼虫はあまり得意ではありませんが、理科教師なので我慢して取り組みを続けています。エサの与え方、糞の掃除は、3年生だけでは行き届きません。少し支援して下さるとありがたいです。