初めて写真を撮るハバチでした。ネットで情報を調べました。広瀬涼太さんのホームページに、このホシアシブトハバチの記録がありました。上手な文章で、生き生きと記録をされていて、見習いたいなと思いました。

 「林道沿いを、スズメバチのようなハチが飛んでいた。一見するとキイロスズメバチのように見えるが、まだ少し時期が早いような気がする。もしかすると、あの種かも。今日は用意してあった捕虫網で掬い取る。うん、予想通り。網に手を入れて、掴み出す。というわけで、今日の昆虫は刺さないハチ、コンボウハバチ科のホシアシブトハバチ。なお、筆者はこの業界は長いため、刺す虫と刺さない虫をちゃんと区別してから触っているので悪しからず。丸い体型に丸い紋と、何となく絵本に出てきそうな印象がある。

 ハチの仲間、分類学的な専門用語を使うなら膜翅目(ハチ目とも言う)は、大きくハバチ亜目とハチ亜目の二つに分けられる。皆さんの思い浮かべる一般的なハチといえば針状の産卵管か、それの変化した毒針を持ち、腰のくびれた体型のものだろう。一方、ハバチと呼ばれるグループでは、腰のくびれはなく寸胴ずんどうである。彼らの幼虫はイモムシ型で、主に植物の葉を食べるという、チョウやガの仲間に似た生活をしている。園芸が趣味の方なら、バラやツツジの害虫であるチュウレンジバチの仲間を見たことがあるかもしれない。つまり、獲物を狩るため、もしくは身を守るための毒針と、腹端のそれを自由に振るうための腰のくびれ。ハチといえば連想される、その二つを獲得する前の原始的な姿を今に伝えているのが、ハバチの仲間なのだ。このホシアシブトハバチも、幼虫はエノキの葉を食べて育つ。

 さてこのハチは、環境省が絶滅のおそれのある生物を取りまとめた「レッドリスト」に載っている。そのランクは最も低いランクである「情報不足」。発生期が春先の短期間に限られ、すぐに移動分散するため、時期を逃すと確認が困難となるためと思われる。実は関西ではそれほど珍しくはなく、二年に一回ぐらいは見つかる。たまに街なかの街路樹のエノキに止まっていたりすることもある。しかし、東日本ではかなり珍しいもののようだ。環境庁のまとめる全国版のレッドリストは、関東のデータを基準にしたものが多く、関西とか他の地方にはまだ多く残っているという種も少なくない。それゆえに、レッドリストの都道府県版とか、市町村版とかが必要となってくるのである。」(広瀬涼太)

 「幼虫たちの世話をしはじめたら、エノキにホシアシブトハバチがやってきました。だいだい色をした、とてもきれいなハチです。このハチは巣を作りません。幼虫はエノキの葉っぱを食べて育ちます。その姿は、イモムシにしか見えません。おかあさんハチは、産卵管をエノキの若葉のつけねにさし込んで、卵を産み付けていました。」(佐用町昆虫館)

 

ホシアシブトハバチ

鶴見緑地

 

 

♫ 梅枝(源氏32) ♫