理科教科書4年「星の動き」の単元のコラムでは、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の話を紹介しています。そのコラムの意義と指導展開案について、編集部におたずねがあり、メールがきました。そこで、『銀河鉄道の夜』を読み直しながら、そこに出てくる星に関する表現を拾い出して見ました。さらに、自然物も多く登場するので、その一覧も作ってみました。教科書では、藤城清治さんの書かれた絵本をとりあげているのですが、ここでは、フォア文庫の『銀河鉄道の夜』の文章から、自然物の表現を拾い出して見ました。

 

◎星座、星空の表現・・天の川(銀河)、青い琴の星(こと座ベガ)、白鳥の停車場(はくちょう座)、北十字(はくちょう座の4つの星)、アルビレオ(はくちょう座β)、ワシの停車場(三つならんだ小さな青い三角標)、ふたごのお星様の宮(こと座のε星という二重星のことか? 『双子の星』チュンセ童子とポウセ童子という双子のお星様の話と関連? 冬の星座ふたご座のことではない)、彗星、さそりの火(さそり座アンタレス)、ケンタウルスの村(ケンタウルス座)、南十字(サザンクロス)、石炭袋(コールサック、南十字星近くの暗黒星雲)

◎鉱物、地質の表現・・金剛石(ダイヤモンド)、黒曜石、石炭、月長石、水晶、硫黄(イオウ)、黄玉(トパーズ)、鋼玉(コランダム)、水素、水銀、地層、第三紀、溶鉱炉、銅、青宝玉(サファイヤ)、ルビー、リチウム、

◎植物の表現・・りんどうの花、すすきの原、いちょうの木、くるみの実、のいばら、りんご、ききょう、とうもろこし、やなぎの木、からすうりのあかり、

◎昆虫・鳥・魚・動物の表現・・かぶとむし、つる、がん、さぎ、ほたる、からす、かささぎ、渡り鳥、くじゃく、さけ、ます、りす、

 

 『銀河鉄道の夜』の物語から、どのように、広がりのある活動につなげるか。

①『銀河鉄道の夜』の本を読みながら、星座、星空の表現を拾い出し、ジョバンニとカムパネルラの銀河鉄道のルートを、星座盤で辿る。 天の川沿い、こと座、はくちょう座、わし座、さそり座、ケンタウルス座、南十字(サザンクロス)、

②星座、星の表現以外の、鉱物、地質について、調べ学習をする。

③登場する植物について、調べ学習をする。

④登場する昆虫・鳥・魚・動物について、調べ学習をする。

⑤『銀河鉄道の夜』の星図鑑、生き物図鑑を作る。

⑥絵やステンドグラスなどで、表現をする。

⑦登場する自然表現をカルタやカードに絵で表現し、お話の順に並べてみる。

⑧各地のプラネタリウムで、『銀河鉄道の夜』をテーマにしたプログラムを放映していることがあるので、見に行くと、より深く物語の美しさを捉えることができる。

 などを考えてみました。

 

 子ども達の学年に合った、本(文章)を選ぶことが大切です。原文に近い本の場合、難しすぎる可能性もあります。

 

 

♫ 合歓木(ねむのき) ♫