伊丹市昆虫館では、今、「モズのはやにえリターンズ」(2023年10月25日~2024年1月29日)の展示をしています。最近、あちこちでモズの写真を撮ることができているので、この特別展を見に行くことにしました。多くの「はやにえ」(小さな虫やトカゲを捕まえて木の枝に刺したもの)を、標本として集めていました。研究をするというのは、地道な努力が必要なのだなと思います。

 モズのはやにえについてネットで調べました。「モズのはやにえ(早贄)とは、モズが捕まえた獲物を木の枝や有刺鉄線などの鋭利な物に突き刺しておく習性です。はやにえは「供え物」という意味ですが、モズが自分自身で食べるための餌です。モズのはやにえは、古くから知られ、冬に備える保存食と考えられてきました。しかし2019年、大阪市立大学大学院理学研究科の西田 有佑 特任講師は、北海道大学大学院理学研究院の高木 昌興 教授との共同研究により、モズのオスは非繁殖期にのみはやにえを作り、そのはやにえを繁殖期が始まるまでにほとんど食べ尽くすことを発見しました。さらに、はやにえの消費量に応じて繁殖期におけるオスの歌の質が高くなり、その結果オスはメスから強く好まれるようになることを野外観察と操作実験により明らかにしました。本研究の結果は、モズのはやにえがメスの獲得で重要な歌の質を高めるための栄養食として機能していることを示しています。餌をなわばり内に貯える「貯食行動」はモズのほか様々な動物でも見られますが、貯えた餌の消費がオスの性的な魅力を高める効果をもつことが実証されたのは世界で初めてです。モズは足があまり発達しておらず、獲物を足で押さえてくちばしでついばむことをせず、木の枝などに獲物を刺してくちばしでそれをついばむという食べ方をします。そのためエサを捕らえるととりあえず枝に突き刺します。」ということでした。

 

伊丹市昆虫館 特別展

 

 

 

はやにえ